浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0151A01: | ものなりや。次に淨土他力の行を示さるゝ中。初に |
Z14_0151A02: | は總じて淨土の莊嚴。三塗に墮落せず。不退轉なるこ |
Z14_0151A03: | とを明し。次に若欲レ生レ彼の下。正しく往生淨土の行 |
Z14_0151A04: | なる淨社の念佛を示し玉へり。此淨社の念佛を。但 |
Z14_0151A05: | 當下稱二彼佛號一。修中彼佛慈上。必爲二彼佛本願一攝取等と示 |
Z14_0151A06: | し玉ふて。彼極樂淨土に。往生せんと欲するには。一 |
Z14_0151A07: | 念本融等の。圓解を開くことも入ず。順レ性而修する |
Z14_0151A08: | 觀をも用ひず。但偏へに。彼阿彌陀佛の名號を稱念 |
Z14_0151A09: | し。彼佛の慈悲を修すべし。必ず彼佛の本願力の爲に |
Z14_0151A10: | 攝取せられ。定て彼極樂國士に。往生すると云こと。 |
Z14_0151A11: | 文義分明なれば。淨社の念佛は。事相本願の稱名念佛 |
Z14_0151A12: | を勸め玉ふて。卽心念佛に非ること。何ぞ復異んや。 |
Z14_0151A13: | かく分明なる疏の文をも。見分つことならずして。重 |
Z14_0151A14: | 重大に違ふたる見樣をせらるゝは。其方の云るゝ。視 |
Z14_0151A15: | 而不レ見なり可レ憐と云ものにてはなしや。 |
Z14_0151A16: | 菴主曰。又但當下稱二彼佛號一。修中彼佛慈上と。佛慈とは。 |
Z14_0151A17: | 觀經に所謂。以二觀佛身一故。亦見二佛心一。佛心者。大慈 |
Z14_0151B01: | 悲是とあるなり。此大慈悲を。天台は。生緣。法緣。 |
Z14_0151B02: | 無緣の三種を以て。釋し玉へり。四明は旣に三種の |
Z14_0151B03: | 慈體是三諦と釋せられたり。然ば。三諦の慈を修し |
Z14_0151B04: | て。彼の佛號を唱るは。談義本に所謂。卽心念佛に |
Z14_0151B05: | 非して。何ぞや。如レ此稱名念佛に付て。一心三觀を |
Z14_0151B06: | 修する方までも收めん爲。四明。約心觀佛と云ず。 |
Z14_0151B07: | 卽心念佛との玉へり。分明なることを。自分にえ合 |
Z14_0151B08: | 點せられざるゆへ。人の云ことまでも疑て。謗法の |
Z14_0151B09: | 罪を造るゝなり。 |
Z14_0151B10: | 彈曰。淨社の疏は。卽心念佛の旨を明さす。無量壽經の |
Z14_0151B11: | 本願に依て。但阿彌陀佛の名號を稱念することを普 |
Z14_0151B12: | く愚癡無智の。俗男俗女までに。勸め玉ふ文にして。 |
Z14_0151B13: | 此稱名は。佛の大慈大悲より發し玉ふ。本願の念佛な |
Z14_0151B14: | るが故に。此本願の佛名を稱念するは。卽ち佛の慈悲 |
Z14_0151B15: | を修行すると云ものなり。因て但當下稱二彼佛號一。修中彼 |
Z14_0151B16: | 佛慈上といひ。必爲二彼佛本願一攝取との玉へり。故に此 |
Z14_0151B17: | は。かの心妙觀を宗とする。觀經に明す。三諦無緣の |