浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0150A01: | 云云此文初より自力求レ脫。實難二其人一と云までは。境 |
| Z14_0150A02: | 界麤强なる。娑婆世界にして。自力の修行を以て。五 |
| Z14_0150A03: | 趣の生死を解脫することの。難きことを明し。次に若 |
| Z14_0150A04: | 夫生二安養一の下は。淨土他力の行を示し玉へるなり。 |
| Z14_0150A05: | 初の中に。一念本融等とあるは。一念の心性は。本來 |
| Z14_0150A06: | 融通して。諸法の隔礮なきことをいひ。然も善惡の業 |
| Z14_0150A07: | を以て。熏起するが故。地獄人天等の。果報を感得す |
| Z14_0150A08: | るの。差別することを示して遇レ熏旣異。感報成レ差と |
| Z14_0150A09: | の玉へり。爾らば此起頭に。一念本融等とあるは。自 |
| Z14_0150A10: | 力の解脫し難きことを明さんとて。まづ本性の融通 |
| Z14_0150A11: | することを。示す文にして。淨社の念佛を。一念本融。 |
| Z14_0150A12: | 諸法無礙と。圓解を開て。解の如く念佛申せよと。云 |
| Z14_0150A13: | ことにては曾てなし。而るを今此二句は。卽心念佛の |
| Z14_0150A14: | 根本なるが故。四明の念佛會は。明かに卽心念佛を示 |
| Z14_0150A15: | し玉ふと云るゝは。さて〱文義を見るの麤きこと |
| Z14_0150A16: | なり。又順レ性而修。則顯二諸佛淨土一とあるは。極樂淨 |
| Z14_0150A17: | 土に往生する爲の念佛を。性に順して修すと云こと |
| Z14_0150B01: | にてはなし。此は維摩詰經に。心淨則佛土淨と宣玉ふ |
| Z14_0150B02: | が如くにて。娑婆世界にして。自力を以て。性に順じ |
| Z14_0150B03: | て修行して。佛土を淨むることを。の玉へるものな |
| Z14_0150B04: | り。因て次下に。之を受て。所以處二娑婆一者。升出尤難 |
| Z14_0150B05: | しといひ。結する處には。葢境界麤强。煩惱熾盛。自力 |
| Z14_0150B06: | 求レ脫。實難二其人一といへり。かくの如く。娑婆自力の |
| Z14_0150B07: | 行を明して。順レ性而修と云ふ文を。妙宗の。據二乎心 |
| Z14_0150B08: | 性一。觀二彼依正一等と云ふ文に牽合して。觀經の想ひを |
| Z14_0150B09: | 西方に送る。約心觀佛と。同じことにして。萬人講の |
| Z14_0150B10: | 疏は卽心念佛を。示し玉ふと云るゝは。大なる僻見。 |
| Z14_0150B11: | 亦是文義を見るの麤きことなり。か樣の麤き見解に |
| Z14_0150B12: | て。ありながら。平生世上の學問が麤きこと。歎かし |
| Z14_0150B13: | く思ふと云るゝは。大に似合ぬこと。世上のことを歎 |
| Z14_0150B14: | かずとも。まづ自分の麤きことを歎かれよ。但しなる |
| Z14_0150B15: | 程文義はよく合點なれども。四明の念佛會には。殊の |
| Z14_0150B16: | 外迷惑し。さすが閉口しても居られず。迷惑さの餘り |
| Z14_0150B17: | に。かく無理なる見樣をし。百題自在坊風を出さるゝ |