浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0146A01: | 妙觀にて。佛身を觀念することなれば。口にて稱念す |
| Z14_0146A02: | るは。四明に背くと。辨僞に尤められて。卽心念佛の |
| Z14_0146A03: | 念佛は。觀念稱念に通ずる故。其中の卽心稱名念佛の |
| Z14_0146A04: | 方を取て勸ると。此度跡より稱念を加えらるゝは。俄 |
| Z14_0146A05: | かに猫を畫き添たるが如き拵へものなれば。眼ある |
| Z14_0146A06: | 人は。初に四明尊者の卽心念佛と。慥かに標する。根 |
| Z14_0146A07: | 本の看版と。相違することを。明かに見分つべし。豈 |
| Z14_0146A08: | 慚愧の至りに非ずや。 |
| Z14_0146A09: | 菴主曰。さて卽心念佛と。の玉はねば。かなはぬ譯 |
| Z14_0146A10: | あり。觀佛にては。妙宗の中にも。もるゝ所あり。止 |
| Z14_0146A11: | 觀の般舟三昩の行相が。すまぬなり。又念佛會の疏 |
| Z14_0146A12: | の心にも。背くなり。又境觀要門にも。背く處あり。末にて出べしそれゆへ。 |
| Z14_0146A13: | 狹き觀佛の言を用ず。通じたる念佛の言を出し玉 |
| Z14_0146A14: | へり。彼人の夢にも知られぬことなり。尤も念佛會 |
| Z14_0146A15: | の疏は勿論。止觀も。妙宗も。見らるべけれども。心 |
| Z14_0146A16: | 觀道の上になき人なれば。視而不レ見なり。可レ憐 |
| Z14_0146A17: | 彈曰。此は下にて。段段具さに云るゝことにして。一 |
| Z14_0146B01: | 一譯もなきこと共なる程に。段段下にて辨ずべし。 |
| Z14_0146B02: | 菴主曰。妙宗に。もるゝ所ありと云は。下品下生の |
| Z14_0146B03: | 十念は。口稱なり。それを。四明料簡して。此人は。 |
| Z14_0146B04: | 乘急戒緩の人なるゆへ。曾て修する觀佛三昩。一心 |
| Z14_0146B05: | 三觀の定心が發して。十念成就して。往生すと。の |
| Z14_0146B06: | 玉へり。具なる文。鈔の下の四十帋より書出すに及ず。此卽一 |
| Z14_0146B07: | 心三觀の定心に住して。稱名するゆへ。談義本に云 |
| Z14_0146B08: | る。卽心念佛に非ずして何ぞや。觀佛と云ば。下品 |
| Z14_0146B09: | 下生の十念が漏るゆへ。念佛と云て。此機までも收 |
| Z14_0146B10: | め玉へり。 |
| Z14_0146B11: | 彈曰。此段は。跡より稱念の猫を。畫き加えたる邪義 |
| Z14_0146B12: | を飾んとて。妄料簡を出されたり。まづ下品下生の經 |
| Z14_0146B13: | 文に。汝若不レ能レ念レ佛者。應レ稱二無量壽佛一とある文義 |
| Z14_0146B14: | を。よく熟讀せらるれば。此經の中に。念佛とあるは。皆 |
| Z14_0146B15: | 觀念のことにして。稱佛と同じからざることを知て。 |
| Z14_0146B16: | 序文の念佛も。稱念には非ず。觀念なることを。合點 |
| Z14_0146B17: | なるべし。さて下品下生の十念は。口稱なり。觀佛 |