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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0142A01: 菩薩のことなりと見ては。上下の文意。全く相契はぬ
Z14_0142A02: を以て。辨僞に委く之を難じたり。此は孤山等の師。
Z14_0142A03: 皆智者大師を宗とすれば。本より心妙觀を知れども。
Z14_0142A04: 而も物を愍む情深くして。多く事相を談じて。下凡を
Z14_0142A05: 化益するを。適時之巧と見てこそ。上下の文照應し
Z14_0142A06: て。よく相契ふことなれ。此はたゞ觀經の上にて。事
Z14_0142A07: 理の二觀のことのみを。序せられて。廣く諸の法門の
Z14_0142A08: ことには非ず。而るを談義本に。此意は。佛や大菩薩
Z14_0142A09: の。時時の宜きに順つて。色色の法を說。それ〲の
Z14_0142A10: 機に適ふて。さま〲の法門を授ることと談じ。今の
Z14_0142A11: 返答にも。拙僧は佛や大菩薩のことなりと云るゝは。
Z14_0142A12: さて〱譯もなき云分なり。又上に於ては。彼文の
Z14_0142A13: 講釋にてなければ。上下照應のことを以て難ずるは。
Z14_0142A14: 筋の違ひたることと。いひながら。今はかく申てこ
Z14_0142A15: そ。上下の文意が。能く相契ふと云て。たゞ一言一句
Z14_0142A16: ばかりにてなく。筋の違ふたと云るゝ。上下の文意
Z14_0142A17: を。反て出さるゝは。何としたることぞや。上下の文
Z14_0142B01: 意が。能く相契ふとは。卽ち上下照應と云ものなり。
Z14_0142B02: 上下照應と云と同じき。上下の文意が。能相契ふこと
Z14_0142B03: を詮として。文の意を和解せらるゝは。これ講釋と云
Z14_0142B04: ものなり。かくの如く。自分にも。一言一句に限らず。
Z14_0142B05: 上下の文意の。よく相契ふ樣に。序文を講釋しなが
Z14_0142B06: ら。而も講釋にてはなしと妄言し。此方の上下照應を
Z14_0142B07: 以て難ずるを。筋が違ひたることと云るゝは。甚だ譯
Z14_0142B08: もなきことならずや。さて安樂行品の疏等のことは。
Z14_0142B09: 其文義を出されねば。今辨ずるに及ばず。
Z14_0142B10:  菴主曰。其上。四明約心觀佛とも。の玉はず。卽心觀
Z14_0142B11:  佛とも。の玉はず。卽心念佛と。の玉へる心。彼人な
Z14_0142B12:  ど。夢にも知られずと見へたり。觀佛と云は。事觀
Z14_0142B13:  でも。理觀でも。觀念にかぎりて狹し。念佛と云は。
Z14_0142B14:  口稱にも通じ。觀念にも通じて。廣きこと。淨土家
Z14_0142B15:  にも。天台家にも。能く人の知りたる事なり。狹き
Z14_0142B16:  觀念の言を出さず。廣き念佛の言を用ひ玉へるは。
Z14_0142B17:  譯あることなり。願共有情とて。法界の諸有情と

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