浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0141A01: | 薩風をしたるものなり。われは。それはならぬと仰せ |
| Z14_0141A02: | らるゝなり等とは。此亦聞えず。談義本には。直に佛 |
| Z14_0141A03: | や大菩薩ならでは。ならざること等と云て。外の凡人 |
| Z14_0141A04: | を。堅く簡び孤山抔と云ことは。一言も云れざりし |
| Z14_0141A05: | に。辨僞に於て。此序の文は。佛や大菩薩のことにて |
| Z14_0141A06: | はなし。孤山等の人師のことなりと。辨破したるを見 |
| Z14_0141A07: | て。內心には。其誤りを知られたれども。過を改むる |
| Z14_0141A08: | ことが嫌ひと。止訛に見立し持病ゆへ。分明に誤れり |
| Z14_0141A09: | とはえ云ず。孤山抔と云詞を。此度偸かに入られたる |
| Z14_0141A10: | は。何ごとぞや。談義本には。佛や大菩薩ならでは。な |
| Z14_0141A11: | らぬと。慥かに云れしに。今は直に。佛や大菩薩の上 |
| Z14_0141A12: | にては云ず。孤山抔は。佛菩薩風をしたるものなり |
| Z14_0141A13: | と。孤山の上にて云るゝは。分明なる轉計。紛らかし |
| Z14_0141A14: | の上手なる分注なり。初學心を付てよく見るべし。又 |
| Z14_0141A15: | 談義本には。佛や大菩薩ならでは。ならぬと。慥かに |
| Z14_0141A16: | 云るれば。佛や大菩薩を除て其外の凡師は。決してな |
| Z14_0141A17: | らぬと。聞えたるに。今は孤山抔も。よくなることの |
| Z14_0141B01: | 樣に云るゝは。前後の自語相違せり。次に然れば物 |
| Z14_0141B02: | を愍むと云言も。智巧など云言も。皆廣きことなるゆ |
| Z14_0141B03: | へ。拙僧は。佛や大菩薩のことなりと云なりとは。此 |
| Z14_0141B04: | も是ならず。愍レ物の。智巧みのと云詞は。なる程廣き |
| Z14_0141B05: | ことにて。此は序文の通りに孤山抔の。廣く下凡の物 |
| Z14_0141B06: | 機を愍み。よく時の機に適ふ。智慧の巧みなること |
| Z14_0141B07: | を。の玉ふものなり。それを談義本に。孤山抔とは。一 |
| Z14_0141B08: | 言も云ず。たゞ佛や大菩薩といひ。今もまた。皆廣き |
| Z14_0141B09: | ことなるが故。拙僧は。佛や大菩薩のことなりと云な |
| Z14_0141B10: | りと云るゝは。甚だ譯もなく。誤れることなり。さて |
| Z14_0141B11: | かく申てこそ。上下の文意が。能く相契ふことなれど |
| Z14_0141B12: | は。此甚だ非なり。適レ時之巧を。佛や大菩薩のことな |
| Z14_0141B13: | りと云ては。此下の文にも契はぬこと。又上文に。相 |
| Z14_0141B14: | 㳂至レ今著述不レ絕皆宗二智者一といひ下つて。愍レ物情深。 |
| Z14_0141B15: | 適レ時智巧等といへるにも。全く契はぬなり。佛や大 |
| Z14_0141B16: | 菩薩の。此經疏に記文を。著述し玉ひ。智者大師を。宗 |
| Z14_0141B17: | とし玉ふなどゝ云こと。何ぞこれ有んや。故に佛や大 |