浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0140A01: | は。佛菩薩風をしたるものなり。われは。それは |
Z14_0140A02: | ならぬと仰せらるゝなり。此乃ち四明の心は。孤 |
Z14_0140A03: | 山などは。能く機を鑑る佛菩薩風が。なると見へ |
Z14_0140A04: | て。下凡の緣種を霑さるゝと。仰せらるゝ心な |
Z14_0140A05: | り。 |
Z14_0140A06: | 然ば物を愍むと云言も。智巧など云言も。皆廣きこ |
Z14_0140A07: | となるゆへ。拙僧は。佛や大菩薩のことなりと云な |
Z14_0140A08: | り。かく申てこそ。上下の文意が。能く相契ふこと |
Z14_0140A09: | なれ。又安樂行品の疏の心や。金錍論の心にも。相 |
Z14_0140A10: | 契ふことなれ。 |
Z14_0140A11: | 彈曰。此段の云分は。反て甚だ譯もなきこと共なり。 |
Z14_0140A12: | まづ劣機の爲に。淺き觀を示す計りを。巧と云べきや |
Z14_0140A13: | うはなきことなりとは。これ此方の意に當らず。なる |
Z14_0140A14: | 程。巧と云は。人のしにくがることを。見事に能くす |
Z14_0140A15: | るを云が故。孤山等の師。內には心玅觀の旨を解すれ |
Z14_0140A16: | ども。時機の理觀に堪ざることをよく鑑み。多く事相 |
Z14_0140A17: | を談じて。下凡に示さるゝを。上文にも。愍レ物情深。 |
Z14_0140B01: | 適レ時智巧といへり。これ庸人の輙くすることを得ぬ。 |
Z14_0140B02: | 善巧方便なるが故。此に於て。適レ時之巧と。の玉へる |
Z14_0140B03: | ものなり。而るを此方には。たゞ劣機の爲に。淺き觀 |
Z14_0140B04: | を示す計りのことを。巧と云たる樣に。惡くいひかけ |
Z14_0140B05: | らるゝは。正直ならぬこと。此ぞ甚だ譯もなきことな |
Z14_0140B06: | れ。次に愍レ物と云言も。一人一機を憐むを。云こと |
Z14_0140B07: | にてはなしとは。此も亦此方に當らぬことなり。此方 |
Z14_0140B08: | 愍レ物と云を。一人一機と云たることは。終になし。此 |
Z14_0140B09: | 愍レ物と云も。談義本の如く。佛や大菩薩のことにて |
Z14_0140B10: | は全くなし。孤山等の師。內に解したる心玅觀は。且 |
Z14_0140B11: | く云ず。多く事相を談じて。我外の下凡の物機に廣く |
Z14_0140B12: | 敎へらるゝを。愍レ物情深と。の玉へるなり。愍レ物と云 |
Z14_0140B13: | 言は。一人一機を憐むを云こととは。誰人が左樣にい |
Z14_0140B14: | へば。今破さるゝや。此には全く入ぬことなり。此方 |
Z14_0140B15: | の終に云ぬことを。此方の云たる樣に破さるゝは。此 |
Z14_0140B16: | 亦例のいひかけ。正直ならぬ妄言なり。さて分注に。 |
Z14_0140B17: | 四明我能くする所に非ずとの玉ふは。孤山抔は。佛菩 |