ウィンドウを閉じる

Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0139A01: を講釋せらるゝからは。其方の後に云るゝ通りに。上
Z14_0139A02: 下の文意が。相契ふ樣に。上下の照應を以て。談ぜら
Z14_0139A03: るゝ筈なるに。全く序文の意にてもなき。佛や大菩薩
Z14_0139A04: に約し。色色の法を說。さま〲の法門を授ることと
Z14_0139A05: 云て。曾て上下の文意に。相契はぬことを云るゝが
Z14_0139A06: 故。辨僞に難ぜられて。忽ち口を違へ。彼文の講釋に
Z14_0139A07: 非ずと云るゝは。明かなる妄言なり。さて一篇の講釋
Z14_0139A08: に非ずと云るゝは誰人か其方談義の上にて。玅宗序
Z14_0139A09: の。一篇の始終を。講釋せられしと云者あつて。かく
Z14_0139A10: 云るゝや。一篇の講釋と云人は。曾てこれなきに。入
Z14_0139A11: ざる斷り。紛らかしたる云分なり。一篇にては。なけ
Z14_0139A12: れども。所引の四句の文の講釋なり。已に四句の文を
Z14_0139A13: 出し。此意はと標して。講釋せらるゝからは。上下の
Z14_0139A14: 文義に背て。何と文意がすむべきや。而るを上下の文
Z14_0139A15: 義に背て。わけもなきことを云るゝ故。辨僞に難破せ
Z14_0139A16: られて。さすが閉口もならず。彼文の講釋の樣に覺え
Z14_0139A17: て。文の上下の照應を以て難ずるは。ものゝ合點のゆ
Z14_0139B01: かぬの。筋の違ひたる妄辨のと云て。誰がいひもせ
Z14_0139B02: ぬ。一篇の二字を加え。禪家の本則や。儒者の經義な
Z14_0139B03: どにて。上手に紛らかさるゝは。さて〱聞えぬこ
Z14_0139B04: と。笑つべきことなり。上下照應のこと。なを下にて
Z14_0139B05: 云べし。
Z14_0139B06:  菴主曰。其上。前後照應の云分が。甚だ譯も。なきこ
Z14_0139B07:  となり。孤山等の。多く事相の觀を示さるゝを適
Z14_0139B08:  時之巧との玉へるものなりとのこと。甚だ譯もな
Z14_0139B09:  き云分なり。劣機の爲に。淺き觀を示す計を。巧と
Z14_0139B10:  云べきやうはなきなり。愍物と云ふ言も。一人一
Z14_0139B11:  機を憐むを。云ことにてはなし。物我と反對に用る
Z14_0139B12:  ときは。我外はみな物なれば。愍物と云は甚だ廣
Z14_0139B13:  し。巧と云は。巧拙と反對に用れば。人のしにくが
Z14_0139B14:  ることを。見事に能くするを巧と云なり。劣機に對
Z14_0139B15:  して。淺き法を示す計は。今時の人もなることな
Z14_0139B16:  り。四明何ぞ非我所一レ能と。の玉ふべきや。
Z14_0139B17:   四明。我能くする所に非ずと。の玉ふは。孤山抔

ウィンドウを閉じる