浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0143A01: | 共にと願ひ玉ふゆへ。觀念にも通じ。口稱にも通じ |
Z14_0143A02: | たる言を出して。上根も。下根も共に往生の勝業 |
Z14_0143A03: | を。成せしめんが爲なり。余は。其中の卽心稱名念 |
Z14_0143A04: | 佛の方を取て。今時の台徒の劣機に。淨業を勸るな |
Z14_0143A05: | り。談義本の始終是なり。云云 |
Z14_0143A06: | 彈曰。此は。思ひの外の妄談なるが故。なる程。此方に |
Z14_0143A07: | は知ぬこと。此方に限らず。四明尊者も。また夢にも |
Z14_0143A08: | 知り玉ふまじき邪說なり。辨僞の難破には。殊の外迷 |
Z14_0143A09: | 惑せられしと見えて。古今珍らしき邪說をいひ出さ |
Z14_0143A10: | れたり。總じて念佛と云は。觀念稱念に通ずること |
Z14_0143A11: | は。自他宗の人の。よく知りたること。誰か之を疑ん |
Z14_0143A12: | や。此方打忘れたるに非ず。今の序文は通途に非ず。 |
Z14_0143A13: | 別して西方の依正を。觀念する上にて孤山等の。たゞ |
Z14_0143A14: | 事相にて觀念するに簡んで。西方の佛身を。唯心法界 |
Z14_0143A15: | と觀念することを。願共二有情一。卽心念佛との玉ふが |
Z14_0143A16: | 故。此御願は。法界の諸有情と。專ら觀念し玉ふこと |
Z14_0143A17: | にして。全く稱念には通ぜぬなり。總體觀經の中に。 |
Z14_0143B01: | 念佛といへるは。皆悉く觀念のことなり。因て正しき |
Z14_0143B02: | 佛身觀の經に。一一光明。遍二照十方世界一。念佛衆生。 |
Z14_0143B03: | 攝取不レ捨。○見二此事一者。卽見二十方一切諸佛一。以レ見二諸 |
Z14_0143B04: | 佛一。故名二念佛三昩一。作二是觀一者。名レ觀二一切佛身一と宣 |
Z14_0143B05: | 玉ふて。此經に念佛三昩とあるは。卽ち觀佛のことな |
Z14_0143B06: | り。妙宗にも。一卽一切。〓尊特身。故觀二一佛一。能見二諸 |
Z14_0143B07: | 佛一と釋して。經文の念佛とあるを。觀佛とし玉へり。 |
Z14_0143B08: | 又大師疏に。念佛衆生。攝取不捨と牒し玉ふを。鈔に |
Z14_0143B09: | 釋して。卽前正觀二佛身光明攝一レ生之文也といへり。此 |
Z14_0143B10: | 等の經文疏鈔を見られよ。此經に念佛とあるは。皆悉 |
Z14_0143B11: | く觀念にして。稱念に非ず。 |
Z14_0143B12: | 念佛衆生の念佛を。稱念と見るは。淨土宗の意に |
Z14_0143B13: | して。天台四明の意には非ず。 |
Z14_0143B14: | 又經に。若念レ佛者。當レ知此人則人中分陀利華と宣玉 |
Z14_0143B15: | ふ。此念佛を。淨土宗の師は。稱名念佛とすれども。四 |
Z14_0143B16: | 明は然らず。顯下修二圓觀一。超中餘一切修道之人上と釋し玉 |
Z14_0143B17: | へり。此經文明かに念佛とあるを。已に圓觀と釋して |