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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0143A01:  共にと願ひ玉ふゆへ。觀念にも通じ。口稱にも通じ
Z14_0143A02:  たる言を出して。上根も。下根も共に往生の勝業
Z14_0143A03:  を。成せしめんが爲なり。余は。其中の卽心稱名念
Z14_0143A04:  佛の方を取て。今時の台徒の劣機に。淨業を勸るな
Z14_0143A05:  り。談義本の始終是なり。云云
Z14_0143A06: 彈曰。此は。思ひの外の妄談なるが故。なる程。此方に
Z14_0143A07: は知ぬこと。此方に限らず。四明尊者も。また夢にも
Z14_0143A08: 知り玉ふまじき邪說なり。辨僞の難破には。殊の外迷
Z14_0143A09: 惑せられしと見えて。古今珍らしき邪說をいひ出さ
Z14_0143A10: れたり。總じて念佛と云は。觀念稱念に通ずること
Z14_0143A11: は。自他宗の人の。よく知りたること。誰か之を疑ん
Z14_0143A12: や。此方打忘れたるに非ず。今の序文は通途に非ず。
Z14_0143A13: 別して西方の依正を。觀念する上にて孤山等の。たゞ
Z14_0143A14: 事相にて觀念するに簡んで。西方の佛身を。唯心法界
Z14_0143A15: と觀念することを。願共有情。卽心念佛との玉ふが
Z14_0143A16: 故。此御願は。法界の諸有情と。專ら觀念し玉ふこと
Z14_0143A17: にして。全く稱念には通ぜぬなり。總體觀經の中に。
Z14_0143B01: 念佛といへるは。皆悉く觀念のことなり。因て正しき
Z14_0143B02: 佛身觀の經に。一一光明。遍照十方世界。念佛衆生。
Z14_0143B03: 攝取不捨。○見此事者。卽見十方一切諸佛。以
Z14_0143B04: 。故名念佛三昩。作是觀者。名一切佛身と宣
Z14_0143B05: 玉ふて。此經に念佛三昩とあるは。卽ち觀佛のことな
Z14_0143B06: り。妙宗にも。一卽一切。〓尊特身。故觀一佛。能見
Z14_0143B07: と釋して。經文の念佛とあるを。觀佛とし玉へり。
Z14_0143B08: 又大師疏に。念佛衆生。攝取不捨と牒し玉ふを。鈔に
Z14_0143B09: 釋して。卽前正觀佛身光明攝一レ生之文也といへり。此
Z14_0143B10: 等の經文疏鈔を見られよ。此經に念佛とあるは。皆悉
Z14_0143B11: く觀念にして。稱念に非ず。
Z14_0143B12:   念佛衆生の念佛を。稱念と見るは。淨土宗の意に
Z14_0143B13:   して。天台四明の意には非ず。
Z14_0143B14: 又經に。若念佛者。當知此人則人中分陀利華と宣玉
Z14_0143B15: ふ。此念佛を。淨土宗の師は。稱名念佛とすれども。四
Z14_0143B16: 明は然らず。顯圓觀。超餘一切修道之人と釋し玉
Z14_0143B17: へり。此經文明かに念佛とあるを。已に圓觀と釋して

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