浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0132A01: | るや。不審なりとのこと。此は。文盲なる問なり。內外 |
Z14_0132A02: | 古今の典籍を見るに。いくたりと云ことなきなり。彼 |
Z14_0132A03: | 人は。談義本に出せる人計を。知られたりと見へた |
Z14_0132A04: | り。近き比珍敷ことを聞たり。西國に。一日に法華を。 |
Z14_0132A05: | 五十部宛。讀人ありと云なり。古人にも無き程の。不 |
Z14_0132A06: | 思議なることなり。世人の愚なる心にては。何とやら |
Z14_0132A07: | 疑はしく思べけれども。成程慥かなることにて。其人 |
Z14_0132A08: | の弟子法眷どもが。語を聞たるなり。理が不思議なれ |
Z14_0132A09: | ば。事の上にも不思議なること。有ものなり。末世と |
Z14_0132A10: | いへども。如レ此の人さへあり。況や談義本を見たり。 |
Z14_0132A11: | 聞たりして。彌陀も淨土も。我心の三諦法界を離ずと |
Z14_0132A12: | 知て。念佛申こと。ちと智慧ある人ならば。なるべき |
Z14_0132A13: | こと決定なり。一向に愚癡なるは。前に云通り。事の |
Z14_0132A14: | 念佛の安心も。埓は明くまじ。能く敎る人も稀なる |
Z14_0132A15: | べしとのこと。成程稀にはあるべし。彼人などは。一 |
Z14_0132A16: | 向にならぬゆへなり。右のわけ故。先師に聞傳へた |
Z14_0132A17: | る。卽心念佛の趣きを。書き付て。談義本として。世に |
Z14_0132B01: | 弘むるなり。此談義本を見たらば。假名文字の。讀め |
Z14_0132B02: | るほどの人は。四明や。先師の思入を。合點すべきな |
Z14_0132B03: | り。其談義本を。僞作と云るゝは。四明や。先師を誹謗 |
Z14_0132B04: | せらるゝなり。勿體なきことなり。彼人のいはるゝ。 |
Z14_0132B05: | 逆路伽耶陀の罪は。かへつて彼人にあることなり。 |
Z14_0132B06: | 他宗より難破せば。何とか答られんとのこと。此他宗 |
Z14_0132B07: | は。先禪宗にてはあるまじ。禪宗は談義ぼうなどの漏 |
Z14_0132B08: | るゝを。かまふものにてはなし。網に留る鯉鮒などに |
Z14_0132B09: | も。目を掛ず。通レ網金鱗を。目掛る故なり。其外の大 |
Z14_0132B10: | 乘の宗旨も。彼人の云るゝ樣には。難ぜまじ。彼人の |
Z14_0132B11: | 云るゝやうに難ずるは。淨土宗の中文盲なる人なる |
Z14_0132B12: | べし。事の念佛にても。漏るゝ機あるなり。念佛無間 |
Z14_0132B13: | と云宗旨を。何とて漏らさぬことがなるべきや。卽心 |
Z14_0132B14: | 念佛は。法華經の意の念佛なりと云は。彼宗旨の人も |
Z14_0132B15: | 漏れまじ。法華經意と云は。一心三觀は。開權妙觀な |
Z14_0132B16: | るがゆへなり。天台宗敎は。普く萬機を利益するこ |
Z14_0132B17: | となるに等とのこと。前にも云通。此は拙衲より。四 |