浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0130A01: | れば。重て難ぜず。 |
Z14_0130A02: | 辨僞に事理の二行○あるべからず。此段。譯もなき |
Z14_0130A03: | 妄談なり。一には。卽心唯心の沙汰なく。たゞ事相本 |
Z14_0130A04: | 願の口稱念佛。此は十疑論。及延慶院の淨社等の如し |
Z14_0130A05: | と。成程機に利鈍ある故。觀佛持名相分れ。事理の二 |
Z14_0130A06: | 筋。相分れたるは。勿論なり。然に延慶院の淨社の念 |
Z14_0130A07: | 佛を。事持と云るゝは。四明の心に非ず。彼人の見誤 |
Z14_0130A08: | なり。前の如。十疑論の心も。亦前の如。 二には。三 |
Z14_0130A09: | 觀を以て。唯心三諦と觀ずる。理觀の念佛。此は觀經 |
Z14_0130A10: | 疏鈔等に明す所の如と。 此は。觀佛なり。持名の理 |
Z14_0130A11: | 持には非ず。台宗に事相理觀を雙べ立。一も闕くこ |
Z14_0130A12: | となきは。正くこれ鳥の兩翼。車の兩輪と云ものなり |
Z14_0130A13: | とのこと。此は。さて〱文盲なる僉義かな。事持理 |
Z14_0130A14: | 觀は。二人の修する所なり。云るゝ通なれば。ふたり |
Z14_0130A15: | よつて。鳥の兩翼ができ。ふたりよつて。車の兩輪が |
Z14_0130A16: | 備るなり。一鳥の雙翼。一車の兩輪とは。譬へられず。 |
Z14_0130A17: | 珍敷兩輪かな。珍敷雙翼かな。可レ笑〱。此をこそか |
Z14_0130B01: | た輪車。かた羽鳥とは。云べけれ。但一家雙翼。一家兩 |
Z14_0130B02: | 輪と云ことか。それなれば。相符極成過なり。此方に |
Z14_0130B03: | も。事理二行あることは。本より許し置所なればな |
Z14_0130B04: | り。 此外に口稱の念佛する的を。空寂無相と觀じ。 |
Z14_0130B05: | 或は三諦法界と觀じて。事に卽して理を觀ずる人あ |
Z14_0130B06: | り。此は。事理融卽する。理觀の人の念佛にして。理持 |
Z14_0130B07: | と云ものなれば。十疑論等にいへる。但事口稱の念佛 |
Z14_0130B08: | とは。異なるなりと。此は。成程理持なり。然に彼人 |
Z14_0130B09: | は。前にも云れ。こゝにも。念佛する的と云るゝ故。理 |
Z14_0130B10: | 持は能念の心計りを觀ずと云。合點なり。要解や別行 |
Z14_0130B11: | 疏の意に非ず。兎角彼人は。觀佛に事理あり。事は善 |
Z14_0130B12: | 導等。理は台家等。持名にも亦事理あり。要解に出。別 |
Z14_0130B13: | 行疏に本つきたり。此譯を知ず。四明の卽心念佛との |
Z14_0130B14: | 玉ふを。觀佛と計り心得。天台。藕益の理持を念佛の |
Z14_0130B15: | 心計りを觀ずと心得らる。大なる迷妄なり。先年書 |
Z14_0130B16: | れし○決定せり。此分注。又無理妄難なり。念佛の機 |
Z14_0130B17: | を。攝せぬとこそ。云たれ。念佛の事を。攝せぬとは云 |