浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0124A01: | きめたるなり。誠に心中の緣影は。心に非ず。妄心で |
Z14_0124A02: | も。本心は。無相空寂にして。豎に究め。橫に徧したる |
Z14_0124A03: | ゆへ。十萬億土も。我心を離ずと云。一言の所には。無 |
Z14_0124A04: | 始以來の。大迷暗を。頓に破することなり。彼人。輕々 |
Z14_0124A05: | しく思るゝは。文盲ゆへなり。 巴郡居士。非眼劉道 |
Z14_0124A06: | 開が楞嚴の貫攝に。阿難の。心は身の中にありと。許 |
Z14_0124A07: | せらるゝを。佛破。汝言三覺了能知之心。住二在身內一。無レ |
Z14_0124A08: | 有二是處一との玉ふを。歎じて云。只此一破。有緣者。卽 |
Z14_0124A09: | 當レ驚二悟絕倒一。非二佛妙典一。何常聞下於二他書一有レ說二心不一レ |
Z14_0124A10: | 在二身中一者上乎。奇哉。眞獅子吼也と云り。俗士なれど |
Z14_0124A11: | も。唐人なるゆへに。よく氣を付たり。如レ此なれば。 |
Z14_0124A12: | 我心を離ずと云一言が。初より終りに至て。甚深微妙 |
Z14_0124A13: | の道理なり。四明の佛の身相に託し云云。此又。理 |
Z14_0124A14: | 持と觀佛とを。混じて云るゝ妄難なり。根本の觀經に |
Z14_0124A15: | も曾てなくと。此又。言句に計り取付きたる妄分別 |
Z14_0124A16: | なり。心作心是の義は。觀佛にも通じ。持名にも通じ。 |
Z14_0124A17: | 理卽より。分證。究竟に通ずることなり。持名に通ず |
Z14_0124B01: | ることは。前に談ぜるが如。六卽に通ずるは。止觀に。 |
Z14_0124B02: | 圓觀二諸法一。皆云二六卽一と。云り。心作心是。豈六卽の心 |
Z14_0124B03: | なからんや。譯もなき。天台宗の料簡かな。加樣の義 |
Z14_0124B04: | は。禪宗にも云ことなり。中峯和尙云。只如三僧問二馬 |
Z14_0124B05: | 祖一。如何是佛。祖云。卽心是佛。此箇公案。雖下不二曾參 |
Z14_0124B06: | 禪一者上。亦皆領會得過。及三乎叩二其極致一。則久參宿學。亦 |
Z14_0124B07: | 少レ有下不二錯會一者上と。卽心是佛。是心是佛此同。初心よ |
Z14_0124B08: | り後心に通ずること。禪者も亦云所なり。兎角彼人。 |
Z14_0124B09: | 觀道のことは。一向目が見へぬなり。中峯の語を。能 |
Z14_0124B10: | く見られよ。如何なる人も。合點の行ことが。如何な |
Z14_0124B11: | る人も。深く明かには。合點得せぬものなり。彼人。如 |
Z14_0124B12: | 何なる人も合點の行く念佛は。四明の卽心念佛には。 |
Z14_0124B13: | あるべからずと。度々云るゝは。物の合點の行ぬ心か |
Z14_0124B14: | ら。云るゝことなり。 |
Z14_0124B15: | 辨僞にさて卽心念佛の人○なるまじきなり。 如何 |
Z14_0124B16: | なる人も。談義本を見たらば。淺くとも。事の念佛も。 |
Z14_0124B17: | 卽心念佛を離ずとは。思べきことなり。 |