浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0119A01: | と忘るべし。 胸中にもやつく。周徧法界とのこと。 |
Z14_0119A02: | 此は何ごとぞや。談義本を。曾て見ぬ人の云やうなる |
Z14_0119A03: | ことなり。談義本には。我等が心は。身の內にあるや |
Z14_0119A04: | うに。思はるれども。身の內にあるやうに。思はるゝ |
Z14_0119A05: | ものは。緣影と云ものにて。本の心には非ず。本の心 |
Z14_0119A06: | は。色もなく。形もなく。周徧法界とて。どこがかぎ |
Z14_0119A07: | り。どこがはてと云こともなく。いつ始る。いつ終る |
Z14_0119A08: | と云こともなきものなるゆへと。書置けり。此を見て |
Z14_0119A09: | は。少し賢き人は。胸中にもやつく周徧法界とは。曾 |
Z14_0119A10: | て思まじ。唯心の緣影のこと。此言は聞へまじと。疑 |
Z14_0119A11: | 者もあれども。聞へはするなり。徧計執。亦依二圓成一而 |
Z14_0119A12: | 起など云意を。合點すれば。彼人の言も。聞ゆる方あ |
Z14_0119A13: | るなり。去ども。彼人の合點の行ことにてなければ。 |
Z14_0119A14: | たゞ言のみあつて。其實議なきなるべし。然に此緣影 |
Z14_0119A15: | を忘るゝことは。天台。四明もならぬなり。唯識論の |
Z14_0119A16: | 中に。加行位の相を云として。現前立二少物一。謂二是唯識 |
Z14_0119A17: | 性一と。加樣の唯識家のことも。彼人。殊の外不案內な |
Z14_0119B01: | るほどに。曾て合點は行まじ。他宗にても○なるま |
Z14_0119B02: | じきなり。 此分注。前に云所にて知れたれば。辨ず |
Z14_0119B03: | るに及ばず。不レ思して思。無念觀念なりとのこと。 |
Z14_0119B04: | 此又分れぬ心より。云るゝことなり。證位を指して云 |
Z14_0119B05: | ば。愚輩計にてはなし。天台。四明も。ならぬなり。敎 |
Z14_0119B06: | より云。理より論ずれば。愚輩の念佛も。無念の念な |
Z14_0119B07: | り。尼入道が。合點してこそ。無念の念なるべけれと。 |
Z14_0119B08: | 云るべきか。合點させん爲の。談義本なり。生れ付き |
Z14_0119B09: | 賢き人は。淺きか深きか。合點すべきことなり。兎角 |
Z14_0119B10: | 彼人は。一心三觀は。佛智なるゆへに。初心より。絕待 |
Z14_0119B11: | の妙觀を修すと云。一通計を覺て。住前觀智。皆名爲レ |
Z14_0119B12: | 情光明玄記上百十八と云。一通を。夢にも知られぬゆへ。譯の |
Z14_0119B13: | 聞へぬことを。云るゝなり。右の二筋の融會は。一家 |
Z14_0119B14: | の學者の。能く明めずして。叶ぬことなれども。彼人 |
Z14_0119B15: | は。曾て知られず。知られたらば。云るべけれども。知 |
Z14_0119B16: | られぬ故。云れぬなり。吾昔初學の爲に。問。四明云。 |
Z14_0119B17: | 初心能離二佛之所離一。以二一心三觀。卽佛智一故。又云。住 |