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Z1400 即心念仏安心決定談義本或問 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0118A01: こと。此は。何を指て。底がぬけぬと云るゝや。解を指
Z14_0118A02: すか。證を指すか。證ならば。愚輩の段ではなし。四
Z14_0118A03: 明。天台。南岳なども。まだ得と。桶の底がぬけぬな
Z14_0118A04: り。解を指て云れば。解には。段々
Z14_0118A05:   禪家にも。大悟一十八徧。小悟不其數と。云
Z14_0118A06:   ことあり。中峯和尙は。余特信解耳と。の玉へり。
Z14_0118A07: あるゆへに。淺き解は。行翁行婆の上にも。あるまじ
Z14_0118A08: きものに非ず。解に付ても。工夫提撕して。合點する
Z14_0118A09: と。書を見たり。講釋を聞たりして。解し得るとの違
Z14_0118A10: ひは。あるべし。
Z14_0118A11:   藕益の云る。境の上に練得ると。看書時解し得
Z14_0118A12:   との。氣味なり。
Z14_0118A13: 千代野などは。工夫して會得せる人なり。賢き行翁行
Z14_0118A14: 婆は。談義本を見ても。唯心淨土の桶の底の。ぬけまじ
Z14_0118A15: きものにてもなきなり。彼人は。自分の愚癡を定規に
Z14_0118A16: して。人にあるまじと。思るゝなり。大に四明の心に
Z14_0118A17: 背けり。融心解に云。又問曰。觀法若然。誰堪修證。如
Z14_0118B01: 其不修。何由生彼。是則往生路絕。徒仰當機。於今何
Z14_0118B02: 益。答曰。人之根性。皆由宿熏。成熟不時。對至能發。
Z14_0118B03: 己尙難測。他安可評。須信能修。不佛世。仍知昩
Z14_0118B04: 旨。豈猶今人。韋提請宣。本爲來世。佛知益。故使
Z14_0118B05: 流通。爾自放逸不修。勿能修之者とありて。我身
Z14_0118B06: も。人の身も。因緣宿熏。知ぬことなれば。卽心念佛な
Z14_0118B07: るべからずと。我身を見かぎるべからず。又往生要集
Z14_0118B08: 二の卅一 に云。問。凡夫不勤修。何虛發弘願耶。答。設
Z14_0118B09: 勤修。猶須悲願。其益無量。如前後明とあ
Z14_0118B10: り。四明と同じ樣なる。思召入なり。二師は。兎角なり
Z14_0118B11: にくきことなりとも。隨分勤めよとの敎なり。彼人
Z14_0118B12: は。なりにくきことはをいて。法然流計を。勤めよと
Z14_0118B13: 云る。天台宗の心入にてはなし。天台宗になられた
Z14_0118B14: る。甲斐はなきにてはなしや。さて能思所思の相も
Z14_0118B15: 忘れずとのこと。此又不埓なる云分なり。證位を云へ
Z14_0118B16: ば。四明。天台も。忘れ玉はぬなり。解の方より云ば。
Z14_0118B17: 談義本を見たる行翁行婆は。能思も法界。所思も法界

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