浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0113A01: | 平生明なることなれば。藕益所謂。將二平日觀心得レ力 |
Z14_0113A02: | 處一。融二入持經念佛一の人にして。任運自然に融入し玉 |
Z14_0113A03: | ふなり。慈慧大師の念佛は。猶以て明らかに卽心念佛 |
Z14_0113A04: | なり。因て御辭世の頌に云。身在二病床一心在レ如。世無二 |
Z14_0113A05: | 遺恨一室無レ儲。旣知此界因緣盡。但念二西方一不レ念レ餘と。 |
Z14_0113A06: | 入滅なさるゝ程の。重き御病氣なれども。現前の一 |
Z14_0113A07: | 念。修惡全性惡。妄卽眞と達し玉ふ觀念を。忘れ玉は |
Z14_0113A08: | ざるゆへ。心在レ如と。の玉へり。此觀念に住して。西 |
Z14_0113A09: | 方彌陀を念じて。入滅し玉へり。依て釋書には。正月 |
Z14_0113A10: | 三日。唱二彌陀一而滅とあり。檀那の先德の作かと云。大 |
Z14_0113A11: | 師傳には。口念二彌陀一。心觀二實相一とあり。南禪寺の景 |
Z14_0113A12: | 茞の撰ぜる。大師の傳には。口唱二彌陀一。心觀二實相一と |
Z14_0113A13: | あり。卽心念佛なること。明かなるに非ずや。慧心の |
Z14_0113A14: | 先德は。慈慧大師四人の上足の中の。第一なり。弘玉 |
Z14_0113A15: | ふ所の念佛。慈慧大師と同じく。卽心念佛なること。 |
Z14_0113A16: | 決定なり。 |
Z14_0113A17: | 其外。本朝の大師達。皆卽心念佛を。修し玉ふな |
Z14_0113B01: | るべし。 |
Z14_0113B02: | 然れば。往生要集に。事の邊を述べ玉ふ事は。他宗と |
Z14_0113B03: | 同じことなれども。觀想。稱名の本意は。理觀。理持な |
Z14_0113B04: | ること。文にも明かに見へたり。されば。彼集の中に。 |
Z14_0113B05: | 法然上人の。殊の外きらひなる菩提心を。勸め玉へ |
Z14_0113B06: | り。其菩提心に。緣事。緣理あり。緣理の發心を。勝れ |
Z14_0113B07: | たりとし玉へり。第二の三十九紙又有相の廻向。無相の廻向 |
Z14_0113B08: | の中には。無相の廻向を。勝れたりとし玉へり。三の十九さ |
Z14_0113B09: | て往生の要業は。法然上人の意と。格別に違ひて。大 |
Z14_0113B10: | 菩提心。護二三業一。深信至誠念レ佛。隨レ願決定生二極樂一 |
Z14_0113B11: | と。の玉ひ。又往生之業。念佛爲レ本。其念佛心。必須レ |
Z14_0113B12: | 如レ理。故具二深信至誠常念三事一と。の玉へり。深心と |
Z14_0113B13: | 云は。今家の意は深し。四明は。起信論の正念眞如を |
Z14_0113B14: | 以て。釋し玉へり。如レ此理觀。理持を。貴み玉へる往 |
Z14_0113B15: | 生要集を。事の念佛を。正意とするやうに。心得るは。 |
Z14_0113B16: | 妄料簡の至なり。上に云所の如なれば。眞盛上人は。 |
Z14_0113B17: | 傳敎。慈覺。慈慧。慧心の御心を能く知て。卽心念佛 |