浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0112A01: | に任すとのこと。稱名念佛。慧心の初て立玉ふにては |
Z14_0112A02: | なきに。此は。法然上人。いなことをの玉へるなり。 |
Z14_0112A03: | 辨僞に又西敎寺の開山○信受せんや。此段。相違せる |
Z14_0112A04: | ことどもなり。先眞盛上人は。中興開山にてこそあれ。 |
Z14_0112A05: | 西敎寺の開山は。慈慧大師なり。眞盛上人のことは。 |
Z14_0112A06: | 色々のことども。之有なり。余が著はせる西敎寺中興 |
Z14_0112A07: | 開山眞盛上人傳論草堂雜錄第三に載に。記すが如。眞盛上人の |
Z14_0112A08: | 念佛は。隨他意の邊にて。至極愚癡の輩には。事の念 |
Z14_0112A09: | 佛を。勸玉ふ事あるべし。上人の本意。自行の勤は。決 |
Z14_0112A10: | 定して。卽心念佛なるべし。因て傳論末に。上人旣宗二 |
Z14_0112A11: | 智者一。博涉二羣籍一。則豈不レ欲下念佛據二於心性一。持律依中於 |
Z14_0112A12: | 佛制上乎と。いへり |
Z14_0112A13: | 眞盛の戒律のことは。彼時分のことなれば。餘り |
Z14_0112A14: | 如法にはなきなるべし。 |
Z14_0112A15: | 今又思に。淨土院にて。傳敎大師の夢の吿を蒙。慧心 |
Z14_0112A16: | の往生要集にて。自利利他すべしとのことなれば。上 |
Z14_0112A17: | 人の勤。卽心念佛なること。決定なるべし。其故は。先 |
Z14_0112B01: | 傳敎大師が。日本の卽心念佛申の。元祖なり。されば。 |
Z14_0112B02: | 止觀業の人に。四種三昩を。修練せよと。定玉ふから |
Z14_0112B03: | は。御自分にも。四種三昩を。行玉ひたるなるべし。其 |
Z14_0112B04: | 常行三昩は。九十日。口常唱二阿彌陀佛名一るなり。法 |
Z14_0112B05: | 相の權執を。破し玉ふにも。南無阿彌陀佛と。の玉へ |
Z14_0112B06: | り。この大師の念佛。豈卽心にあらざらんや。其故は |
Z14_0112B07: | 大師は。自旣に一心三觀。傳於一言と。の玉へり。唐陸 |
Z14_0112B08: | 淳は。總二萬法於一心一。了二衆塗於三觀一と。歎じたり。如 |
Z14_0112B09: | 實知自心を以因とする密敎を傳へ玉ひ。直指人心の |
Z14_0112B10: | 達磨の一派は。本朝にては。行表に傳。大唐にては。翛 |
Z14_0112B11: | 然に傳へ玉へり。此大師。唱玉ふ所の念佛。卽心念佛に |
Z14_0112B12: | 非してなになるべきや。慈覺大師は又。密敎の大宗師 |
Z14_0112B13: | にて。引聲の念佛を。傳來し玉へり。禪宗は。蕭慶中に |
Z14_0112B14: | 傳玉へり。御臨終には。移二慈睿房一。念二阿彌陀佛一。令二諸 |
Z14_0112B15: | 門人同唱一玉へり。此兩大師の念佛。皆卽心念佛なる |
Z14_0112B16: | こと明なり。古の大師達は。今時の人の。一心三觀。直 |
Z14_0112B17: | 指人心などの。名目を覺たる計なるとは。大に違て。 |