浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0098A01: | 其上。前後照應の云分が。甚譯もなきことなり。孤山 |
Z14_0098A02: | 等の。多事相の觀を示さるゝを。適レ時之巧との玉へ |
Z14_0098A03: | るものなりとのこと。甚譯もなき云分なり。劣機の爲 |
Z14_0098A04: | に。淺觀を示計を。巧と云べきやうはなきなり。愍レ物 |
Z14_0098A05: | と云言も。一人一機を憐を。云ことにてはなし。物我 |
Z14_0098A06: | と反對に用るときは。我外はみな物なれば。愍レ物と |
Z14_0098A07: | 云は甚廣。巧と云は。巧拙と反對に用れば。人のしに |
Z14_0098A08: | くがることを。見事に能くするを巧と云なり。劣機に |
Z14_0098A09: | 對して。淺法を示す計は。今時の人もなることなり。 |
Z14_0098A10: | 四明何ぞ非二我所一レ能と。の玉ふべきや。 |
Z14_0098A11: | 四明。我能する所に非ずとの玉ふは。孤山抔は。 |
Z14_0098A12: | 佛菩薩風をしたるものなり。われは。それはなら |
Z14_0098A13: | ぬと仰せらるゝなり。此乃四明の心は。孤山な |
Z14_0098A14: | どは。能く機を鑑る佛菩薩風が。なると見へて。 |
Z14_0098A15: | 下凡の緣種を霑さるゝと。仰らるゝ心なり。 |
Z14_0098A16: | 然ば物を愍と云言も。智巧なと云言も。皆廣ことなる |
Z14_0098A17: | ゆへ。拙僧は。佛や大菩薩のことなりと云なり。かく |
Z14_0098B01: | 申てこそ。上下の文意が。能相契ことなれ。又安樂行 |
Z14_0098B02: | 品の疏の心や。金錍論の心にも。相契ことなれ。 其 |
Z14_0098B03: | 上。四明約心觀佛とも。の玉はず。卽心觀佛とも。の玉 |
Z14_0098B04: | はず。卽心念佛と。の玉へる心。彼人など。夢にも知れ |
Z14_0098B05: | ずと見たり。觀佛と云は。事觀でも。理觀でも。觀念に |
Z14_0098B06: | かぎりて狹。念佛と云は。口稱にも通じ。觀念にも通 |
Z14_0098B07: | じて。廣こと。淨土家にも。天台家にも。能人の知たる |
Z14_0098B08: | 事なり。狹き觀念の言を出さず。廣き念佛の言を用玉 |
Z14_0098B09: | へるは。譯あることなり。願共有情とて。法界の諸有 |
Z14_0098B10: | 情と共にと。願玉ふゆへ。觀念にも通じ。口稱にも通 |
Z14_0098B11: | じたる言を出して。上根も。下根も共に往生の勝業 |
Z14_0098B12: | を。成ぜしめんが爲なり。余は。其中の卽心稱名念佛 |
Z14_0098B13: | の方を取て。今時の台徒の劣機に。淨業を勸るなり。 |
Z14_0098B14: | 談義本の始終是なり。さて卽心念佛と。の玉はねば。 |
Z14_0098B15: | かなはぬ譯あり。觀佛にては。妙宗の中にも。もるゝ |
Z14_0098B16: | 所あり。止觀の般舟三眛の行相が。すまぬなり。又念 |
Z14_0098B17: | 佛會の疏の心にも背くなり。又境觀要門にも。背處あり。末にて出べし。それゆ |