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Z1400 即心念仏安心決定談義本或問 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0096A01: 彼人。台宗にて先師の弟子と。思はれながら。色々の
Z14_0096A02: 邪解異說を。云述て。敎觀の正旨を亂し。初學を惑さ
Z14_0096A03: るゝゆへ。法の爲。人の爲。口業を惜まず。書付さす。
Z14_0096A04: 辨僞に云。其題號を見るに。卽心念佛安心決定談義本
Z14_0096A05: とあれば。さてもなが〱として。をかしき題號かな
Z14_0096A06: と。なが〱として。可笑しきとあれば。此方の序
Z14_0096A07: に。談義本の名いとをかしとあり。田舍の僧の。談義
Z14_0096A08: 本。ことばいやしと云るとは。ちがひて。ながき題號
Z14_0096A09: が。をかしと云ことなり。ながきがをかしくば。大佛
Z14_0096A10: 頂如來密因修證了義諸菩薩萬行首楞嚴經。此の題號
Z14_0096A11: は。此方の題號より。九字ながき程に。定て呵呵大笑
Z14_0096A12: せらるべし。さて又。大方廣曼殊室利童眞菩薩華嚴本
Z14_0096A13: 敎讃閻曼德迦忿怒王眞言阿毘遮嚕迦儀軌品。此は。三
Z14_0096A14: 十三字の長銘なるほどに。猶以て腹をかゝへらるべ
Z14_0096A15: し。加樣の題號甚多。それを笑れば。謗法の罪過彌天
Z14_0096A16: ならん。
Z14_0096A17: 辨僞二十七紙。此方の云分。談義本の序の中のことなれば。こゝに出す。に云。此念佛のこと。
Z14_0096B01: 拙僧も。勤め得たりとは思れねば。いかでか。人人をし
Z14_0096B02: て。深く信得せしむることを得んやと云るゝが。これ
Z14_0096B03: 眞實語なるべし。かの淸堂の。吾さへ得と會得せぬ
Z14_0096B04: と。いへるは。其筈なり。爾ば。いかなる人も。難き事
Z14_0096B05: なく。合點ゆく樣なる。卽心念佛は。決して。四明の弘
Z14_0096B06: め玉ふ所に非ず。 此云分。彼人計にてはなし。世上
Z14_0096B07: にても。此ことを難ずる人ありと聞。麤き學問者は何
Z14_0096B08: 方も同ことと。見へたり。此は。佛敎の大綱。儒者の大
Z14_0096B09: 筋を。曾て知ぬ人の云分なり。珍からず。佛學廣と云
Z14_0096B10: ども。解行の二つの外にはなし。儒者には。知行と云
Z14_0096B11: なり。解に依て行を起し。行を以て解を相續すれば。
Z14_0096B12: 解行は一徹なれども。又解と行とは。大にわかる所あ
Z14_0096B13: り。行は。段々之有ゆへ。勤め得たりと云ことの。なる
Z14_0096B14: ものにてはなし。
Z14_0096B15:   事の念佛者にても。自勤め得たりと云人は。末代
Z14_0096B16:   には有兼べし。若しあらば。愚癡の至りか。增上
Z14_0096B17:   慢かならん。

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