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Z1400 即心念仏安心決定談義本或問 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0095A01: れども。理持を嫌て。事持計を勤る人は。除糞之器に。
Z14_0095A02: 譬ても。苦かるまじきなり。此れわる口に非ず。法華
Z14_0095A03: 經の意を述るなり。但念佛の法門は。小乘にてはなき
Z14_0095A04: ゆへ。麤相なる除糞之器とは。云べからず。上々の棕
Z14_0095A05: 櫚箒。蒔繪の塵取位なるべし。卽心念佛の。七寶の大
Z14_0095A06: 車とは。同日の論に非ざることなり。
Z14_0095A07: 或問云。事の念佛計にて。往生したるは。宿習なきゆ
Z14_0095A08: へ。悟かねて。ぐづゝくべし。其人が。卽心念佛の人
Z14_0095A09: の。早悟を見ては。けなりく思べしと。書たるは。龍舒
Z14_0095A10: 居士の。大阿彌陀經に依りたりや。 答云。大阿彌陀
Z14_0095A11: 經は。見ざるなり。或人の云く。大阿彌陀經云。佛言。
Z14_0095A12: 十方無央數世界。諸天人民。比丘僧。比丘尼。優婆塞。
Z14_0095A13: 優婆夷。往生阿彌陀佛刹者。群衆大會於七寶池中
Z14_0095A14: 人人各坐一大蓮華之上。自陳前世。所持經戒。所
Z14_0095A15: 善法。所從來生本末。其所好法。及所得淺深。與
Z14_0095A16: 慧多寡。從上次下。轉相言之。其人若不豫作諸善
Z14_0095A17: 經理。於此應對。自然促迫。其心慚悔。悔亦無
Z14_0095B01: 及。但慷慨發憤。慕等夷と。余笑て云。之を見ず
Z14_0095B02: して書當たるは。結句手柄にて候。
Z14_0095B03: 或問。法明和尙の辨僞は。吾等底の。至極初心なる者
Z14_0095B04: は。能聞たることと思はる。但し聞ぬことにて候や。
Z14_0095B05: 若聞ぬことならば。一一返答して。初學の疑網を裂玉
Z14_0095B06: へ。答。法明の學問。邪解邪觀なること。往年より。
Z14_0095B07: 委細に辨ずることなり。近年は。學問あがりたるかと
Z14_0095B08: 思へども一圓あがらず。相かわらぬ。邪解どもなり。
Z14_0095B09: 心底は。段々とわるくなりたるやうに思る。總じて。
Z14_0095B10: 彼人は。もの覺えよくて。因緣物語を。澤山に覺られた
Z14_0095B11: る計にて。肝要のことは。知れぬことが多。精細の議
Z14_0095B12: 論は分ず。明ならず。深妙の道理は。曾て知れず。見識
Z14_0095B13: は曾てなきなり。末にて一一指示さん。老極。草臥甚
Z14_0095B14: しきゆへ。往年の如。委細に破斥することはなるま
Z14_0095B15: じ。彼要を取。略して之を破さん。何程破しても。彼人
Z14_0095B16: は。心服せられまじきこと。知たれども。先師の敎觀の
Z14_0095B17: 正旨。漸々に行はれて。台家の學問。漸々に盛なるに。

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