ウィンドウを閉じる

Z1400 即心念仏安心決定談義本或問 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0094A01: の合點は。談義本と名付るより。片假名書にて候ゆ
Z14_0094A02: へ。かなづかひの吟味。曾て仕ず候。且又。昔の人の云
Z14_0094A03: るは。明魏法師は旣にかなもじづかひをやぶりて。
Z14_0094A04: イ。ヰ。ヲ。オ。エ。ヱの類皆ひとつに書べしと云りと。今
Z14_0094A05: 度の談義本は。明魏法師風の。猶じだらくなるもの
Z14_0094A06: と。思召候へば。埓明申候。又善導の發願經。順俗す
Z14_0094A07: ぎて聞とのこと。總じて本文章には。俗語を用ず。詩
Z14_0094A08: には。俗語あり。定ることなり。語錄は。儒者のも。佛
Z14_0094A09: 者のも。皆俗語を嫌はず。就中禪錄は。俗語だらけな
Z14_0094A10: り。然ば。談義本。片假名書にて。俗語だらけなれば。
Z14_0094A11: 俗語のとがめは。鈍なることなり。發願經のこと。經
Z14_0094A12: の字には。通別あり。通じては。經。律。論。皆經と云な
Z14_0094A13: り。世間には。茶經あり。碁經あり。發願文を。經と名
Z14_0094A14: 付るが。何ぞ必ずしも俗ならん。經の字は。佛語とば
Z14_0094A15: かり心得は。初心なることなり。
Z14_0094A16: 或問。世間に沙汰するは。旁觀記の時は。法然上人を。
Z14_0094A17: 殊の外讃歎し。此度は以の外推し下すは前後相違と
Z14_0094B01: 云。此難。如何が通ぜらるべきや。答。世間の人が。多は
Z14_0094B02: 學問が麤て。人の書たるものを。得と明めぬゆへ。云
Z14_0094B03: ことなり。旁觀記と。談義本と。相替ことは。なきな
Z14_0094B04: り。此度も善導。法然の勸めの事の念佛は。大慈大悲よ
Z14_0094B05: り。末世の劣機に逗ぜんが爲。段々と念佛を。ひきく
Z14_0094B06: 說なし玉へりと云り。此程明に大に讃歎したること
Z14_0094B07: はなきに。推下とは。何として云や。善導。法然は。佛
Z14_0094B08: 風の働と云に非や。旁觀記は。一枚起請を談ずる。邪
Z14_0094B09: 說を辨じて。上人の本位を。顯せるなり。談義本は。
Z14_0094B10: 事の念佛より。理の念佛の勝たることを談ずるなり。
Z14_0094B11: それを法然上人を。推下と云樣に心得るは。筋道の分
Z14_0094B12: ぬ。麤き云分なり。法華經の意。三乘の法は。本一佛乘
Z14_0094B13: より分別し玉へり。其三乘が。皆一佛乘に歸すと。說
Z14_0094B14: 玉ひたれば。小乘と一乘とは。一體無二なり。然ども。
Z14_0094B15: 佛小機の爲に。小乘を說玉ふ。其當分を沙汰するとき
Z14_0094B16: は。同法華經に。小乘をば。塵芥を除。除糞之器に。譬
Z14_0094B17: 玉へり。此をよく。心得られよ。事持。理持。本一體な

ウィンドウを閉じる