浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0093A01: | 陀と云ことを。信ずることは。下下根の人も。なるこ |
Z14_0093A02: | となり。然に。法明上人は。下下根の人は。卽心念佛な |
Z14_0093A03: | らぬことと云る。俗人の見解よりは。劣たることな |
Z14_0093A04: | り。されば。荆溪尊者。道中天眞。而謝二俗子一とて。出 |
Z14_0093A05: | 家の歷々が。俗人の見解に不レ及との玉へり。法明上 |
Z14_0093A06: | 人は。天眞獨秀とは。云れねども。出家の身にて。俗人 |
Z14_0093A07: | の見解に劣られたり。六祖大師曰。下下人有二上上智一。 |
Z14_0093A08: | 上上人有二沒意智一と。下下の人とても。卽心念佛なる |
Z14_0093A09: | まじきものにてはなきなり。尤打ても。たゝひても。 |
Z14_0093A10: | 動がぬやうなる。至愚至暗の人も。なるほど多かるべ |
Z14_0093A11: | けれども。左樣の人は。事の念佛の安心とても。とく |
Z14_0093A12: | と得合點は。せまじきなり。 |
Z14_0093A13: | 或問。談義本と云は。言ばいやしと難ずる人あり。又 |
Z14_0093A14: | 談義本の中。かなづかひあしきことありと。難ずる人 |
Z14_0093A15: | あり。此こと如何。答。なるほど此等は。去田舍の僧 |
Z14_0093A16: | 申こされたることなり。其返書略して之を出さん。 |
Z14_0093A17: | 一其元御不案內のことに候へども。道理は御合點參 |
Z14_0093B01: | べしと存。申入候。此方牡丹に。山姥と名付置候花御 |
Z14_0093B02: | 座候。初心なる牡丹ずきは。常格に泥んで。此花は。重 |
Z14_0093B03: | ねがうすひの。形儀がわるひの。花びらにしわがある |
Z14_0093B04: | のと難じ申候。功者なる人は。山姥と云ふ名を合點し |
Z14_0093B05: | て。大輪にて。色よく。實。蕊よきゆへ。一體の上花と |
Z14_0093B06: | ほめ申候。重ねがうすひ。形儀がわるひ。しわがあると |
Z14_0093B07: | 申人には。拙衲は。それゆへ。山姥なりと申候。此譬よ |
Z14_0093B08: | く御合點なさるべく候。諸事に通じ。初心。功者の位。 |
Z14_0093B09: | 分るゝこと。知申候。 一談義本。理にとがはなけれ |
Z14_0093B10: | ども。言ばいやしとのこと。これは。佛意に叶はぬ論 |
Z14_0093B11: | なり。依レ義不レ依レ語は。佛敎の正意にてはござなく候 |
Z14_0093B12: | や。さて又舌で物をあじをふ。をの假名は。わなる |
Z14_0093B13: | べしとのこと。成程尤。其筈なり。あじのじも誤りな |
Z14_0093B14: | り。あぢなり。然ども。本かなづかひには。色々樣々の |
Z14_0093B15: | むづかしきことあり。本かなの譯。御存候はゞ。これ |
Z14_0093B16: | ばかり。御とがめはあるまじきことに候。談義本の中 |
Z14_0093B17: | には。加樣のこと。大分これあるべきことなり。拙僧 |