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Z1400 即心念仏安心決定談義本或問 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0092A01: の外憤りて。譯もなきことどもを。澤山に云る。笑止
Z14_0092A02: 千萬。序に云なり。去一向宗。去處にて。同宗の俗人
Z14_0092A03: に出あひ。物語の序に。近比出たる談義本は。安心決
Z14_0092A04: 定の爲と云ども。自力のこと計を述て。他力のこと
Z14_0092A05: は曾て云ず。わけの立ぬ書なりと云。獨の俗漢。乍通じ
Z14_0092A06: て云。それは。其元の不合點と思はる。吾一向宗や。淨
Z14_0092A07: 土宗の談義本ならば。他力の事を云はひでは。叶はぬ
Z14_0092A08: ことなり。然に彼書は。天台宗の念佛の安心を。示せ
Z14_0092A09: るなり。天台宗の念佛は。自力に他力を兼たり。一向。
Z14_0092A10: 淨土とは違へり。吾宗の安心にあわぬとて。彼書をわ
Z14_0092A11: けもなしと難ずるは。無理なりと云ば。一向の僧。驚
Z14_0092A12: ける色ありと語。とかく。書を見たの。書を見ぬのと
Z14_0092A13: 云にはよらず。かしこき人が。かしこきことを。云も
Z14_0092A14: のなり。
Z14_0092A15:   天台宗の心は。自力に他力を兼たるなれども。自
Z14_0092A16:   力も他力も。局執すれば過なり。局執せねば。自
Z14_0092A17:   力も他力も。相兼たるも。皆勝益ありと談ず。淨
Z14_0092B01:   土家には。沙汰せぬことなり。此旨骨目抄の驗非
Z14_0092B02:   に記置けり。
Z14_0092B03: 或間。去俗人。念佛同行の人に語て云るは。我ら如の
Z14_0092B04: 者。最初から。天台大師などの。申させ玉ふ樣なる。卽
Z14_0092B05: 心念佛を。勤めんと云やうに。心得るゆへ。卽心念佛
Z14_0092B06: の安心が。決定せぬなり。只先面々相應の。卽心念佛
Z14_0092B07: を勤んと。思がよき筈なり。その卽心念佛と云は。別
Z14_0092B08: のことはなし。談義本にこれある通。吾等が妄心が。
Z14_0092B09: 卽徧法界の體なれば。淨土も。彌陀も。吾一心を不
Z14_0092B10: と信じて。ひたと左樣に思て。念佛申が。卽心念佛な
Z14_0092B11: りと云。此云分。尤なりや。 答。なるほど尤なり。卽
Z14_0092B12: 心念佛の安心に淺あり。深あり。暗あり。明なるあり
Z14_0092B13: と。書置し處に。相かなひたる云分なり。吾書置し處
Z14_0092B14: は又。藕益の。上上根人終不能踰其閫。下下根人亦
Z14_0092B15: 以臻其閾と。云るにかなへり。藕益の心。上上根
Z14_0092B16: の人も。卽心念佛の間の內を出ず。下下根の人も。卽
Z14_0092B17: 心念佛の間の內に入るゝとなり。まことに。唯心の彌

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