浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0085A01: | きなり。左樣に佛敎の大意を。よく〱知ねば。安心 |
| Z14_0085A02: | が決定せず。往生もならぬ。卽心念佛ならば。末世の |
| Z14_0085A03: | 難行とこそ云べけれ。何ぞ之を末世の要行と云るゝ |
| Z14_0085A04: | や。四明の妙宗鈔の中にも。佛敎の大意を。よく〱 |
| Z14_0085A05: | 知たるにてなければ。安心決定せぬと云ことは。曾て |
| Z14_0085A06: | これなきことなり。但し四明の鈔に。左樣にの玉へる |
| Z14_0085A07: | 明文あるや。出さるべし。いか程出したく思はるゝと |
| Z14_0085A08: | も。明文なきことなれば。此も亦例の妄料簡なること |
| Z14_0085A09: | 必定なり。 又第二座の談義にむづかしき入くみに |
| Z14_0085A10: | てもなし。合點し難きこともなければ。いかなる人も |
| Z14_0085A11: | 合點ゆくべきなりと云れしが。尼 道も。愚夫愚婦を |
| Z14_0085A12: | も簡ふことなく。いかなる人もと云るゝからは。尼入 |
| Z14_0085A13: | 道も愚夫愚婦も佛敎の大意を。よく〱知て安心決 |
| Z14_0085A14: | 定すると云ことなりや。不審なり。證據より證人なる |
| Z14_0085A15: | 程に。卽今世俗の人々に。かた端より問て見られよ。 |
| Z14_0085A16: | 佛敎の大意を。よく〱知て。合點したる人は。千萬 |
| Z14_0085A17: | 人の中にも稀なるべし。爾らば卽心念佛の安心決定 |
| Z14_0085B01: | を勸るとて。いかなる人も合點ゆくべしと云るゝは。 |
| Z14_0085B02: | 世間の現量に相違して。無智の輩を誑らかす妄談な |
| Z14_0085B03: | れば。全く受取難きことなり。但しいかなる人も。合 |
| Z14_0085B04: | 點ゆくべきなりと云れしは。卽心念佛の安心を。決定 |
| Z14_0085B05: | さする談義にてはなしや。如何。卽心念佛の安心を。 |
| Z14_0085B06: | 決定さする談義ならば。其安心決定は。佛敎の大意 |
| Z14_0085B07: | を。よく〱知たるにてなければ。決定せぬとなれ |
| Z14_0085B08: | ば。いかなる人も。佛敎の大意を。よく〱知て。安心 |
| Z14_0085B09: | 決定すると云ては。現量に相違するを。いかゞ會通せ |
| Z14_0085B10: | られんや。其會通を分明に承りたし。 |
| Z14_0085B11: | 談曰。事理の二行は。鳥の兩の翼。車の兩の輪の如 |
| Z14_0085B12: | くにて。一つもかけては。ならぬものなり。此譬能 |
| Z14_0085B13: | 思ふべし。吾宗の卽心念佛は。事に卽して理を照 |
| Z14_0085B14: | し。理に卽して事を修するゆへ。烏の兩翼。車の兩 |
| Z14_0085B15: | 輪の如くにて。自由自在なることなり。末世の愚癡 |
| Z14_0085B16: | 無智。此修行はなるまじきことといへども。左樣に |
| Z14_0085B17: | てはなし。女にも。男にも。貴にも。賤にも。智慧聰 |