浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0083A01: | 絕。何議不レ忘と。釋し玉ふが故に。此度の如く。三諦 |
Z14_0083A02: | 理明かならぬ人の。西方の彌陀は。我心の內の彌陀な |
Z14_0083A03: | り等と云ことを。ひたもの功を積て思ふたり。學問せ |
Z14_0083A04: | ぬ人の。隨分忘れぬ樣にして覺えたり。か樣のものと |
Z14_0083A05: | 合點し。心得たりする分齊は。三諦や唯心の。緣影を |
Z14_0083A06: | 認たる。憶度思慮と云ものなれば。四明の弘め玉ふ。 |
Z14_0083A07: | 卽心念佛の妙觀には非ず。かく緣影を認て。憶度する |
Z14_0083A08: | 念佛の功積らば。其功の積るほど。三諦の妙理は。明 |
Z14_0083A09: | かなる段にてはなく。いよ〱冥きより。冥き闇路に |
Z14_0083A10: | 入べきなり。妙宗鈔に。禀二圓說一者。初心卽用二佛智一照レ |
Z14_0083A11: | 境。故能信二解諸法實相一。乃至若離二心緣能所等相一。名爲二 |
Z14_0083A12: | 實相一。介爾有レ相。卽爲二魔事一。故別敎已下。至二六道法一。 |
Z14_0083A13: | 皆有二能所心緣等相一。魔能說レ之。悉名二魔事一。乃至以二此覺 |
Z14_0083A14: | 心一。觀二於依正一。能所卽絕。待對斯忘。妙觀之宗。自レ玆而 |
Z14_0083A15: | 立といへり。此鈔文をよく見られよ。圓頓の行人は。 |
Z14_0083A16: | 初心始行より諸法實相を信解すれば。三乘の聖智に |
Z14_0083A17: | 超過し。究竟の佛の智慧を用て。名字の相も。心緣の |
Z14_0083B01: | 相も。能所言說の相をも。こと〲く離れて。所觀の |
Z14_0083B02: | 境を。待對を忘れ。能所絕して。觀し照す妙觀を用る |
Z14_0083B03: | なり。 |
Z14_0083B04: | 復二楊文公一書。若今圓に論ぜば。不レ離而離。初心 |
Z14_0083B05: | 能離二佛之所一レ離。以二一心三觀卽佛智一故との玉へ |
Z14_0083B06: | るも。亦此意なり。初心は爾らず。後心に至て方に |
Z14_0083B07: | 離ると云は。權敎の意なり。圓頓は初後不二にし |
Z14_0083B08: | て。後心の佛智を。初心始行より用るが故。用る |
Z14_0083B09: | 所の觀智に。能所心緣等の相は。全くなきことな |
Z14_0083B10: | り。因て妙宗鈔に。圓人始終能用二上品寂光理一。 |
Z14_0083B11: | 而爲二觀體一との玉へり。 |
Z14_0083B12: | もし介爾も。能所心緣。名字等の相あるは。全く佛智 |
Z14_0083B13: | の照す實相には非ず。悉く魔事と名くと示し玉へば。 |
Z14_0083B14: | 今圓人の卽心念佛を云として。三諦の理の明かなら |
Z14_0083B15: | ず。未だ圓解の開けぬ人の。西方の彌陀を。我心の內 |
Z14_0083B16: | の彌陀なりと。其名相を認て思ふたり。學問せぬ人の |
Z14_0083B17: | 功を積てくりかへし。忘れぬ樣に覺えたりすると云 |