浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0080A01: | のゆかぬものは。何とて左樣の功德あるべきやと。功 |
Z14_0080A02: | 德の有無を疑ふに。功德があるとも。なしともえ云 |
Z14_0080A03: | ず。たゞ合點のゆかぬことも。度々聞は。後には合點 |
Z14_0080A04: | ゆくものなり。退屈すべからずとばかり云て。警策し |
Z14_0080A05: | て。しまはるゝは。さて〱不埓千萬なることなり。 |
Z14_0080A06: | かゝる不埓を云て。はつきと。會通のならぬと云は。 |
Z14_0080A07: | 三諦の理の。明かならぬ人の。覺えたり。思ふたりする |
Z14_0080A08: | 分齊は。眞の卽心念佛には非ずして。元來四明の如く |
Z14_0080A09: | なる。廣大無邊の功德なきが故なりと云こと。自顯れ |
Z14_0080A10: | たるなり。かくの如く。はつきと。會通はならず。やう |
Z14_0080A11: | やう得手の紛らを出して。當分の難を遁れながら。此 |
Z14_0080A12: | にも懲ずして。又第六座の談義に。卽心念佛の功德利 |
Z14_0080A13: | 益を云として。四明の卽心念佛に。廣大無邊の功德あ |
Z14_0080A14: | ると云文どもを。偸に取來て。覺えたり思ふたりす |
Z14_0080A15: | る。愚癡無智の念佛申しの功德の樣に。紛らかして憍 |
Z14_0080A16: | らるゝは。狐が虎の威をかつて。百獸に憍慢するが如 |
Z14_0080A17: | く。又隣りの藏にある。結構なる寶どもを。數へたて |
Z14_0080B01: | て。我物の樣にいひ。知ぬ人を誑らかすが如し。さて |
Z14_0080B02: | さて正直ならぬこと共なり。左樣に愚癡無智の。覺え |
Z14_0080B03: | たり思ふたりして。念佛申すに。四明の如く。廣大無 |
Z14_0080B04: | 邊の功德があるならば。何とて最前伏疑を會するに。 |
Z14_0080B05: | なる程功德があると。はつきと會通せずして。餘處ご |
Z14_0080B06: | とを云て。紛らかさるゝや。か樣に談義の腰がすはら |
Z14_0080B07: | ず。紛らかしの出るは。もと四明の弘め玉ふ。眞の卽 |
Z14_0080B08: | 心念佛には非ず。僞作妄料簡の故なること明かに知 |
Z14_0080B09: | るるなり。 |
Z14_0080B10: | 卽心念佛の申し樣の事と。標する下の談曰。卽心念 |
Z14_0080B11: | 佛の行者も。手前を能し。腰をすゆるを。本とすべ |
Z14_0080B12: | し。其手前。腰のすへやうは。とかく佛道修行は。六 |
Z14_0080B13: | 道の中にては。人道最上なれば。人間の心になり。 |
Z14_0080B14: | 人間の心を失なわぬが。念佛申しの手前。腰のすゑ |
Z14_0080B15: | やうなり。乃至人の心と云は。體能義讓。卽人道心 |
Z14_0080B16: | と釋して。仁義禮智の心が。人の心なり。孟子の四 |
Z14_0080B17: | 端。云云 |