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Z1390 即心念仏談義本弁偽 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0079A01: られたれども。大に不埓なることなり。初座の談義
Z14_0079A02: に。但し卽心念佛の意を。能く合點したる人は。左樣
Z14_0079A03: の功德もあるべし。吾等底の。卽心念佛の意の。合點
Z14_0079A04: のゆかぬものは
Z14_0079A05:   第二座の談に。合點し難きこともなけれは。いか
Z14_0079A06:   なる人も合點ゆくべきなりと云るれば。卽心念
Z14_0079A07:   佛の。合點のゆかぬと云人は。あるまじきことな
Z14_0079A08:   るに。今我等底の。合點のゆかぬ者と云るゝは。
Z14_0079A09:   いか樣なる者にて。合點ゆかぬや。其者を承りた
Z14_0079A10:   し。又我等底の合點のゆかぬ者とは。いかなる人
Z14_0079A11:   もと云るゝ所の。人の內には。入ぬ者なりや。そ
Z14_0079A12:   の入ぬわけ。明かに承りたし。口の揃はぬ談義に
Z14_0079A13:   て聞わけ難きなり。
Z14_0079A14: 何とて左樣の功德あるべきやと云。疑あるべきこと
Z14_0079A15: なれども。合點のゆかぬことも。度々聞ば。後には合
Z14_0079A16: 點ゆくものなり。退屈すべからずと云れたり。此伏疑
Z14_0079A17: は。上に於て。卽心念佛の觀念は。重罪を滅する。大力
Z14_0079B01: 用あることを云に付て。心作心是と觀念する。卽心念
Z14_0079B02: 佛の意を。能く合點したる人は。左樣の大功德もある
Z14_0079B03: べけれども。吾等底の。愚癡無智の。合點ゆかぬ者は。
Z14_0079B04: 何とて左樣の功德あるべきやと云疑なれば。此を會
Z14_0079B05: 通するからは。愚癡無智の合點ゆかぬも。なる程左樣
Z14_0079B06: の功德があるとか。いや〱なしとか。はつきと。會
Z14_0079B07: 通せられでは。叶はぬ處なるに。愚癡無智の。合點ゆ
Z14_0079B08: かぬ者も。なる程左樣功德があるとはいかにしても。
Z14_0079B09: 人目があれば云れず。又功德なしと云ては。三諦の理
Z14_0079B10: の明かならぬ人の。覺たり思ふたりするも。功德利益。
Z14_0079B11: 廣大無邊なる樣に。談ぜらるゝ指合となるが故。進退
Z14_0079B12: 維谷り。此に於て。日比名を得られし。紛らの上手を
Z14_0079B13: 出し。合點のゆかぬことも。度々聞ば後には合點ゆく
Z14_0079B14: ものなり。退屈すべからずと。紛らかして。しまはる
Z14_0079B15: ゝは。これ不埓なることならずや。もし我等底は。な
Z14_0079B16: か〱合點ゆくまじきことゝ。合點の有無を疑ふな
Z14_0079B17: らば。今此會通にても。埓があけども。吾等底の。合點

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