浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0078A01: | の念佛を。捨らるゝと云になるなり。具さには。後に |
Z14_0078A02: | 至て片輪車と破するが如し。 |
Z14_0078A03: | 談曰。卽心念佛は。事の念佛より遙に勝れて功德利 |
Z14_0078A04: | 益。廣大無邊なり。前にも云し通り。先三世のつみ |
Z14_0078A05: | とがを滅することが廣大なり。乃至さて又。同じ念 |
Z14_0078A06: | 佛にて。同じ淨土に生ずれども。卽心念佛の人は。 |
Z14_0078A07: | 淨土の依報正報を。感見し奉ることが。殊の外勝れ |
Z14_0078A08: | て。微妙不思議。結構至極なり。因て四明尊者は。 |
Z14_0078A09: | 如二諸經說一。凡小善行。廻向求レ生。縱依二大乘一。仍是散 |
Z14_0078A10: | 善。故感二安養一。淨相猶劣。若二今頓敎。心觀妙宗一。所レ |
Z14_0078A11: | 見淨相。永異二他部一と釋し玉へり。云云 |
Z14_0078A12: | 辨曰。四明の名を立て。弘め玉ふ卽心念佛は。究竟の |
Z14_0078A13: | 佛智を悟りて用る。妙觀法なれば。事相の行の及ぶ所 |
Z14_0078A14: | に非ず。なる程其功德利益。廣大無邊にして。三世の |
Z14_0078A15: | 罪もよく滅し。淨土の莊嚴も勝るゝなり。然れども此 |
Z14_0078A16: | 度云るゝ樣な。僞作の卽心念佛は。それ程功德無邊な |
Z14_0078A17: | りとは云べからず。引るゝ所の四明の釋は。皆これ心 |
Z14_0078B01: | 妙觀の功德利益の。廣大無邊なることを。の玉へる文 |
Z14_0078B02: | にして。全く。以て。思ふたり。覺えたりする。卽心念 |
Z14_0078B03: | 佛の利益のことには非ず。若二今頓敎。心觀妙宗一とい |
Z14_0078B04: | へる。心觀妙宗とは。いかなるものと思はるゝや。四 |
Z14_0078B05: | 明尊者。心觀卽是一心三觀といひ。大矣哉一心三觀之 |
Z14_0078B06: | 妙宗也と稱歎し。又以二此覺心一。觀二於依正一。能所卽絕。 |
Z14_0078B07: | 待對斯忘。妙觀之宗自レ玆而立と示し玉へば。思を絕 |
Z14_0078B08: | し。議を忘るゝ。不可思議の一心三觀を以て。西方の |
Z14_0078B09: | 依正を。所觀の境とし。唯心法界と。絕待に觀念する |
Z14_0078B10: | を。心觀の妙宗といへるものなり。談議本の如く。能 |
Z14_0078B11: | 所を忘れず。待對を絕せずして。覺えたり。思ひ思ふ |
Z14_0078B12: | て。念佛申す。僞作の卽心念佛のことには非るなり。 |
Z14_0078B13: | 而るに西方の依正を。觀念する心妙觀の。功德無邊な |
Z14_0078B14: | ることを明す。四明の解釋を重々引て。僞作妄想の。 |
Z14_0078B15: | 佛の名を唱る。卽心念佛の證據とせらるゝは。甚だ不 |
Z14_0078B16: | 都合なること。嗚呼證レ龜成レ鼈。此之謂也。此事は談義 |
Z14_0078B17: | 本にも。覺朿なく思はるゝと見えて。兼て伏疑を遮せ |