浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0074A01: | 筈なるに。左樣にはなく。四明の弘め玉ふより外に。 |
Z14_0074A02: | 我心を離れずと知て後の行を。此意を忘れず。思ひ思 |
Z14_0074A03: | ふて。南無阿彌陀佛と。念佛申すを。卽心念佛なりと |
Z14_0074A04: | いひ。いかなる人も。合點ゆくべしなどゝ談ぜらるゝ |
Z14_0074A05: | は。謂つべし。縣額牓レ州。惑二亂行者一ものなりと。又 |
Z14_0074A06: | 初座の談義に。卽心念佛を。理持とも云なりといは |
Z14_0074A07: | る。此甚た非なり。此は從來四明の卽心念佛と。理持 |
Z14_0074A08: | との不同を。知れぬ故なり。四明の卽心念佛は。十六 |
Z14_0074A09: | 觀の第八像觀の文に依て。彌陀の身相を。作是一心に |
Z14_0074A10: | 觀ずることなり。理持と云は。阿彌陀經の。執持名號 |
Z14_0074A11: | の文に由て。口にて彌陀の名號を唱へて。執持する上 |
Z14_0074A12: | にて。三諦の妙理を觀ずることにして。觀門各別なる |
Z14_0074A13: | ことなるに。觀經より出る。四明の卽心念佛を云とし |
Z14_0074A14: | て。阿彌陀經より出たる。理持の念佛申すことを。重 |
Z14_0074A15: | 々談して紛らかさるゝは。此乃ち卽心念佛を稱念と |
Z14_0074A16: | せらるゝ僞作の根本。大なる錯りなり。況や天台宗の |
Z14_0074A17: | 理持とは。念佛する的を。三諦法界と觀し。空寂無相 |
Z14_0074B01: | と觀ずるを云ことなるに。談義本は然らずして。我心 |
Z14_0074B02: | を離れずと。知たるばかりにて。此をくりかへし〱。 |
Z14_0074B03: | 思ひ思ふて。念佛申すを。理持なりと云るれば。甚だ |
Z14_0074B04: | 非なることなり。されば天台大師。理の一心種名を釋 |
Z14_0074B05: | すとして。理一心者。達二此心自他共無因。不可得。無 |
Z14_0074B06: | 心無念一。空慧相應。此乃無レ一無レ心といへり。かくの如 |
Z14_0074B07: | く。念々に申す所の稱名を。四句を離れて。空寂無相 |
Z14_0074B08: | なりと觀達する空慧相應して。一もなく。心もなきこ |
Z14_0074B09: | そ。理の一心稱名にして。眞理持と云ものなれ。妙立 |
Z14_0074B10: | 和尙。此理の一心を。心をば。たゞ名のみぞと。しら糸 |
Z14_0074B11: | の。亂れぬもまた。くりかへすなりと詠ぜられしは。 |
Z14_0074B12: | 談義本の。しづの。をだまき。くりかへす勸めとは違 |
Z14_0074B13: | ふて。よく其意を得られしなり。爾らば周遍法界や。 |
Z14_0074B14: | 唯心三諦の緣影を。くりかへし。忘れず思ふ樣なは。 |
Z14_0074B15: | 僞作なること昭然顯著なり。他宗の人。かゝる僞作を |
Z14_0074B16: | 聞ば。日比深妙なることと聞及びし。天台宗の卽心念 |
Z14_0074B17: | 佛は。さても〱淺々しきこと。しづのをだまき。く |