浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0073A01: | 申すが。卽心念佛なりと談ぜらるゝも亦非なり。此は |
Z14_0073A02: | 上に卽心念佛の念とは。おもふなりと。いひ置て。下 |
Z14_0073A03: | に節々思ふ〱と云るゝなり。其思ふと云るゝは。未 |
Z14_0073A04: | だ桶の底のぬけぬ。悠々の愚輩の。能思所思の相も忘 |
Z14_0073A05: | れず。胸中にもやつく。周遍法界や。我心を離れぬ。唯 |
Z14_0073A06: | 心の緣影を認て。憶度し思慮する分齊なり。 |
Z14_0073A07: | 他宗にても。澄潭不レ許二蒼龍蟠一などゝ云に。未だ |
Z14_0073A08: | 桶の底がぬけぬ故。大分水がたまりて。周遍法界 |
Z14_0073A09: | や。三諦唯心の蒼龍が多く蟠り。第二の月も。や |
Z14_0073A10: | どりたるを。天台宗の卽心念佛にして。受取こと |
Z14_0073A11: | は全くなるまじきなり。 |
Z14_0073A12: | 因て合點し難きこともなければ。いかなる人も。合點 |
Z14_0073A13: | ゆくべきなりと。心易げに云るゝなり。然るに四明の |
Z14_0073A14: | 名を立て。弘め玉へる卽心念佛の念の字は。なる程お |
Z14_0073A15: | もふとは訓ずれども。此は約心觀佛の。觀の字と同じ |
Z14_0073A16: | ことにして。不思議の一心三觀なれば。おもはずして |
Z14_0073A17: | おもふ。無念の觀念なり。かの悠々の愚輩の。能所の |
Z14_0073B01: | 相を忘れずして。思慮する念とは同じからす。此無念 |
Z14_0073B02: | の觀念の相を。四明妙宗に。德既不レ縱不レ橫。諦乃絕レ |
Z14_0073B03: | 思絕レ議。此是佛之所諦。今以二此諦一。而爲二所觀一。諦旣卽レ |
Z14_0073B04: | 一而三。觀豈前後而照故依二妙諦一。以立二觀門一。卽二於一 |
Z14_0073B05: | 心一。而修二三觀一。此觀觀レ法。能所雙絕。況無量壽佛。本 |
Z14_0073B06: | 修二此觀一。成二就三身一。法報泯然。眞應融卽。非二玆妙觀一。 |
Z14_0073B07: | 寧顯二妙身一といひ。又稱レ性而觀。絕待而照ともいへ |
Z14_0073B08: | り。四明の弘め玉ふ眞の卽心念佛は。かくの如く。思 |
Z14_0073B09: | ふ心も。議る詞も亡絕し。妙諦これ一に卽して而三。 |
Z14_0073B10: | 妙觀また前後ならず。一心に卽して三觀を修す。終日 |
Z14_0073B11: | 妙境に對して。よく觀ずれども。而も能所の相を雙へ |
Z14_0073B12: | て絕し。世に稱ふて絕待に照すなり。かゝる圓頓の妙 |
Z14_0073B13: | 觀なればこそ。無量壽佛の妙身もよく顯はれ。三世の |
Z14_0073B14: | 罪もよく滅し。因となることも亦强く。淨土の莊嚴も |
Z14_0073B15: | 殊勝なれ。今四明の妙宗に依て。卽心念佛談義本と題 |
Z14_0073B16: | せらるゝからは。かくの如き四明所立の卽心念佛の |
Z14_0073B17: | 甚深微妙なる心妙觀の旨を。專ら談して勸めらるゝ |