浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0071A01: | なり。因て上の辨に。別して根本と云るゝ所の。 |
Z14_0071A02: | 像觀の文。四明の釋によつて。重々難破すること |
Z14_0071A03: | なり。四明祖師の。義徧二初後一。と斷りを云て。十 |
Z14_0071A04: | 六觀に徧く通ぜしめ玉ふが如くにはせず。何と |
Z14_0071A05: | て。一言の斷りをも云ずして紛らかしたること |
Z14_0071A06: | を談じて。無知の輩を誑らかさるゝや。況や像觀 |
Z14_0071A07: | の作是一心に修して。思を絕し議を忘るゝ。不思 |
Z14_0071A08: | 議の一心三觀に義例して。佛と我心と。同一體に |
Z14_0071A09: | して。相かはらずと思て。思議分別を絕せず。佛 |
Z14_0071A10: | を思ひ。佛の名を唱るを。作是の妙觀なりと云る |
Z14_0071A11: | るは。玉に瓦を例する樣な義例なれば。いかにし |
Z14_0071A12: | ても信伏して。受取ことはならぬなり。 |
Z14_0071A13: | 談曰。極樂國土も。我心を離れず。阿彌陀佛。觀音勢 |
Z14_0071A14: | 至。淸淨大海衆も。我心を離れずと知て。往生の願 |
Z14_0071A15: | を起し。念佛申すが。卽心念佛なり。卽心念佛の義。 |
Z14_0071A16: | 此外にはなきことなり。かく云分は。むづかしき入 |
Z14_0071A17: | くみにてもなし。合點し難きこともなければ。いか |
Z14_0071B01: | なる人も。合點ゆくべきことなり。只此意を忘れず |
Z14_0071B02: | して。念佛申すにつけて。此意を思ひ。此意を思ふ |
Z14_0071B03: | て。念佛申すが。卽心念佛なり。 |
Z14_0071B04: | 辨曰。此趣きも。天台四明の。の玉はぬ僞說にして。有 |
Z14_0071B05: | がたからぬ談義なり。まづ卽心念佛と云は。約心觀佛 |
Z14_0071B06: | と云とこれ同じく。前に三諦の理を。明かに解して。 |
Z14_0071B07: | 而して後に。佛の身相を。所觀の境とし。唯心法界と |
Z14_0071B08: | 觀ずる妙觀法なり。因て妙宗鈔に。大乘行人。知三我一 |
Z14_0071B09: | 心。具二諸佛性一。託レ境修レ觀。佛相乃彰といへり。文の中 |
Z14_0071B10: | の知とは。これ開解。託レ境修レ觀とは。これ用觀。佛相 |
Z14_0071B11: | 乃彰とは。これ所顯の法なり。爾らば今。極樂も彌陀 |
Z14_0071B12: | も。我心を離れずと知てと云るゝ知とは。前にも云通 |
Z14_0071B13: | り。たゞこれ開解の分齊にして。 |
Z14_0071B14: | 此且く與へていふ。いかなる人も。忘れずして。 |
Z14_0071B15: | 覺えて知ことなれば。實は圓妙の開解には非ず。 |
Z14_0071B16: | 未だ此理を照す觀行に非ず。次に念佛申すと云るゝ |
Z14_0071B17: | が。正しく行相なり。其念佛申す境に託して。三觀を |