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Z1390 即心念仏談義本弁偽 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0070A01:   にも。徧く通じて用る妙觀なりと。示し玉ふが
Z14_0070A02:   故。作是の觀法は。必ずしも第八の像觀に。限る
Z14_0070A03:   ものには非ず。爾らば今も義を以て例して。佛を
Z14_0070A04:   思ひ。佛の名を唱る上にて。作是の觀を談ずる
Z14_0070A05:   に。何の過かこれ有んや。答。此妙宗は。談義者の
Z14_0070A06:   にげ口に。云れんと思ふ文なれば。よくこそ出さ
Z14_0070A07:   れたれ。上の辨に。像觀の經文を出して云は。作
Z14_0070A08:   是の說は。正しく第八像觀の中に出たるが故。別
Z14_0070A09:   して其根本の經文に依て云ことなり。西方の依
Z14_0070A10:   正を觀ずる十六觀は。同じ觀經の中に出て。一類
Z14_0070A11:   の觀なるが故。義を以ていへば。初後の十五觀に
Z14_0070A12:   通ぜずと云には非ず。因て四明尊者。文出此中
Z14_0070A13:   義徧初後と。其斷りをの玉へり。かくの如く。
Z14_0070A14:   義徧初後と。斷りをの玉ふが故。文にはなけれ
Z14_0070A15:   ども。義によつて。十六觀を修するに。皆作是の
Z14_0070A16:   妙觀を。用る旨を釋し玉ふは。よく明かに聞ゆる
Z14_0070A17:   ことなり。妙宗の文。十六の依正を觀ずるには。
Z14_0070B01:   徧く通ずと云ことなれども。佛の名を口にて唱
Z14_0070B02:   る。念佛申しの上にまで。徧く通ずと云ことには
Z14_0070B03:   非ず。もし談義本も。作是の文は。第八の像觀に
Z14_0070B04:   出て。不思議の三觀にて。佛身を觀ずることなれ
Z14_0070B05:   ども。左樣に觀ずる事は。今時の愚輩は。なかな
Z14_0070B06:   かなり難し。故に佛の名を唱へて。念佛申す上に
Z14_0070B07:   て。作是のことを。思ひ思ふ樣に勸るなりと。そ
Z14_0070B08:   の斷りをいひ置てから。云るゝならば。それはと
Z14_0070B09:   もかくもなれども。上にも云通り。左樣の斷り
Z14_0070B10:   は。七座の談義の始終に。一言も云ず。初座の談
Z14_0070B11:   義に。卽心念佛と云名を立て。專ら弘め玉ふは。
Z14_0070B12:   四明尊者なり。其根本は。觀經の。是心作佛。是心
Z14_0070B13:   是佛と。說せ玉へる文なりと。いひ置て。而して
Z14_0070B14:   後に。我心と佛と。相かはらずと思て。佛を思ひ。
Z14_0070B15:   佛の名を唱るなどゝ云るゝが故。云るゝ所が。卽
Z14_0070B16:   ち觀經に出たる。作是の妙觀。卽ち四明の名を立
Z14_0070B17:   て弘め玉ふ。卽心念佛なりと。紛らかして聞ゆる

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