浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0069A01: | 判を見るに。根本作是の觀法は。不可思議の一心三觀 |
| Z14_0069A02: | を以て。佛の色像を。唯心にして。三諦法界と觀して。 |
| Z14_0069A03: | 而も能所の相もなく。作是一心にして。思を絕し。議 |
| Z14_0069A04: | を忘れ。憶想分別を。離るゝ所の妙觀法なり。談義本 |
| Z14_0069A05: | の如く。作是一心に觀すとも。唯心三諦と觀すとも云 |
| Z14_0069A06: | ずして。たゞ愚夫愚婦の心の內に。佛のことを。賤の |
| Z14_0069A07: | をだまきくりかへし。思ひ思ふて。思議を絕せず。南 |
| Z14_0069A08: | 無阿彌陀佛〱と佛の名を唱ると云ことは。根本像 |
| Z14_0069A09: | 觀を明す。修多羅の文と合せず。四明の解釋とも合せ |
| Z14_0069A10: | ざる 妄想の卽心念佛なること決定なり。もし經文 |
| Z14_0069A11: | や四明の如く。佛像を境とし。作是一心に觀するこ |
| Z14_0069A12: | とは。末世の愚癡無智は。とても。なり難し。それ故 |
| Z14_0069A13: | に。今は佛の名を唱る上にて。我心を離れずと知た |
| Z14_0069A14: | り。覺えたりして。念佛申すを。私に卽心念佛と名を |
| Z14_0069A15: | 付て。勤めしむるは。のち〱經文や。四明の樣なる。 |
| Z14_0069A16: | 眞の卽心念佛の妙觀を修行する時の。因緣となるな |
| Z14_0069A17: | どゝ。談ぜらるゝならば。それは適レ時の巧みにて。經 |
| Z14_0069B01: | 文や四明と。各別に立て。勸化の方便とせらるゝが |
| Z14_0069B02: | 故。且く其通りなれども。左樣に簡別する斷りは。七 |
| Z14_0069B03: | 座の談義の始終に一言も云ず。卽心念佛の義は。根本 |
| Z14_0069B04: | 觀經より出たり。其名を立て。弘め玉ふは。四明尊者 |
| Z14_0069B05: | なりと。いひ置ながら。而も觀經や四明とは違ふて。 |
| Z14_0069B06: | 段々口にて。佛の名を唱へて。念佛申すことを出し。 |
| Z14_0069B07: | 重々不埓なる觀法を云るゝが故。獅子の皮を蒙りて。 |
| Z14_0069B08: | 野干の鳴をなすが如くなれば。人我にてはなけれど |
| Z14_0069B09: | も。さりとては。信仰し難き談義なり。初に觀經や四 |
| Z14_0069B10: | 明といひながら而も觀經四明と違ふたることを。僞 |
| Z14_0069B11: | り作りて云るゝは。僞作の卽心念佛ならずや。修多羅 |
| Z14_0069B12: | の文や。四明の釋に見えぬことを妄りに憶度分別し |
| Z14_0069B13: | て云れば。亦これ妄料簡の卽心念佛なり。 |
| Z14_0069B14: | 有問曰。妙宗鈔に。故知作是一心修者。乃不思議 |
| Z14_0069B15: | 三觀。十六觀之總體。一經之妙宗。文出二此中一。義 |
| Z14_0069B16: | 徧二初後一と云て。作是の妙觀を。明し玉ふ文は。第 |
| Z14_0069B17: | 八像觀の中に出たれども。其義は初後の十五觀 |