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Z1390 即心念仏談義本弁偽 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0068A01: たりとは。なる程云るゝ通りなれども。今其解了せら
Z14_0068A02: るゝ所は。大に經說に背けり。此は十六觀の第八。像
Z14_0068A03: 觀を明し玉ふ下の經文なり。今其經文を出すに。上に
Z14_0068A04: 於て。是心作佛。是心是佛の觀體を明し已て。次に正
Z14_0068A05: しく觀法を示すとして。是故應當一心繫念。諦觀
Z14_0068A06: 佛。多陀阿伽陀。阿羅伽。三藐三佛陀。想彼佛者。先
Z14_0068A07: 像。閉目開目。見一寶像。如閻浮檀金色。坐
Z14_0068A08: 華上と。のべ玉へり。此經文には。佛の寶像の。蓮華
Z14_0068A09: の上に坐し玉ふを。諦かに觀想することを明して。佛
Z14_0068A10: を思ひ。佛の名を唱ると云ことは一言もなし。根本の
Z14_0068A11: 經文。何れの處にか。佛の名を唱ると云言あるや。其
Z14_0068A12: 文を出さるべし。たとひ氷りの底より。猛火は出さる
Z14_0068A13: るとも。此處の經にて。佛の名を唱ると云文を出すこ
Z14_0068A14: とは。決定してなるまじきなり。爾らば經文には。決
Z14_0068A15: 定して一言もこれなきことを。經文にあることの樣
Z14_0068A16: に上手に紛らかして云るゝは。亦これ無知の輩を。誑
Z14_0068A17: らかさるゝなり。此下の經文に。若不修多羅
Z14_0068B01: 者。名爲妄想と說。妙宗鈔には。全非像觀禪定。故名
Z14_0068B02: 妄想と釋し玉へば。此に準ずるに。四明の佛の色像
Z14_0068B03: を觀ずる。卽心念佛は。修多羅の文に。諦觀彼佛とい
Z14_0068B04: ひ。先當像等といへるに。よく符合すれば。これ正
Z14_0068B05: 觀なり。最も珍敬すべし。佛の名を唱ると云ことは。
Z14_0068B06: 第八像觀の經文に。一言もなく。修多羅の文と。全く
Z14_0068B07: 合せざることなれば。名て妄想とすべきなり。妄想顛
Z14_0068B08: 倒の卽心念佛。誰か之を奉行せんや。此經文を釋し玉
Z14_0068B09: ふ。天台四明の疏鈔を見るにも。佛を思ひ。佛の名を
Z14_0068B10: 唱ると云ことは。一句もなし。妙宗鈔には。今於一念
Z14_0068B11: 妙觀作是。能離性過。卽是而作。故全性成修。則泯
Z14_0068B12: 一切自然之性。卽作而是。故全修卽性。則泯一切因
Z14_0068B13: 緣之性。若其然者。何思不絕。何議不忘。旣以作是
Z14_0068B14: 乎思議。復以作是。顯於三觀。乃至故知作是一心修
Z14_0068B15: 者。乃不思議三觀といひ。上に引。一心繫念。諦觀彼佛
Z14_0068B16: の經文を牒して。卽一心三觀也と釋し。又般舟三眛經
Z14_0068B17: の。心有想則癡。無想則泥洹等の文を引玉へり。此祖

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