浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0068A01: | たりとは。なる程云るゝ通りなれども。今其解了せら |
Z14_0068A02: | るゝ所は。大に經說に背けり。此は十六觀の第八。像 |
Z14_0068A03: | 觀を明し玉ふ下の經文なり。今其經文を出すに。上に |
Z14_0068A04: | 於て。是心作佛。是心是佛の觀體を明し已て。次に正 |
Z14_0068A05: | しく觀法を示すとして。是故應三當一心繫念。諦觀二彼 |
Z14_0068A06: | 佛。多陀阿伽陀。阿羅伽。三藐三佛陀一。想二彼佛一者。先 |
Z14_0068A07: | 當下想レ像。閉レ目開レ目。見中一寶像。如二閻浮檀金色一。坐二彼 |
Z14_0068A08: | 華上一と。のべ玉へり。此經文には。佛の寶像の。蓮華 |
Z14_0068A09: | の上に坐し玉ふを。諦かに觀想することを明して。佛 |
Z14_0068A10: | を思ひ。佛の名を唱ると云ことは一言もなし。根本の |
Z14_0068A11: | 經文。何れの處にか。佛の名を唱ると云言あるや。其 |
Z14_0068A12: | 文を出さるべし。たとひ氷りの底より。猛火は出さる |
Z14_0068A13: | るとも。此處の經にて。佛の名を唱ると云文を出すこ |
Z14_0068A14: | とは。決定してなるまじきなり。爾らば經文には。決 |
Z14_0068A15: | 定して一言もこれなきことを。經文にあることの樣 |
Z14_0068A16: | に上手に紛らかして云るゝは。亦これ無知の輩を。誑 |
Z14_0068A17: | らかさるゝなり。此下の經文に。若不下與二修多羅一合上 |
Z14_0068B01: | 者。名爲二妄想一と說。妙宗鈔には。全非二像觀禪定一。故名二 |
Z14_0068B02: | 妄想一と釋し玉へば。此に準ずるに。四明の佛の色像 |
Z14_0068B03: | を觀ずる。卽心念佛は。修多羅の文に。諦觀二彼佛一とい |
Z14_0068B04: | ひ。先當レ想レ像等といへるに。よく符合すれば。これ正 |
Z14_0068B05: | 觀なり。最も珍敬すべし。佛の名を唱ると云ことは。 |
Z14_0068B06: | 第八像觀の經文に。一言もなく。修多羅の文と。全く |
Z14_0068B07: | 合せざることなれば。名て妄想とすべきなり。妄想顛 |
Z14_0068B08: | 倒の卽心念佛。誰か之を奉行せんや。此經文を釋し玉 |
Z14_0068B09: | ふ。天台四明の疏鈔を見るにも。佛を思ひ。佛の名を |
Z14_0068B10: | 唱ると云ことは。一句もなし。妙宗鈔には。今於二一念一。 |
Z14_0068B11: | 妙觀二作是一。能離二性過一。卽レ是而作。故全レ性成レ修。則泯二 |
Z14_0068B12: | 一切自然之性一。卽レ作而是。故全レ修卽レ性。則泯二一切因 |
Z14_0068B13: | 緣之性一。若其然者。何思不レ絕。何議不レ忘。旣以二作是一。 |
Z14_0068B14: | 絕二乎思議一。復以二作是一。顯二於三觀一。乃至故知作是一心修 |
Z14_0068B15: | 者。乃不思議三觀といひ。上に引。一心繫念。諦觀彼佛 |
Z14_0068B16: | の經文を牒して。卽一心三觀也と釋し。又般舟三眛經 |
Z14_0068B17: | の。心有レ想則癡。無レ想則泥洹等の文を引玉へり。此祖 |