浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0067A01: | る所の。幾千萬億の僧俗男女は。大分水を加えたる乳 |
Z14_0067A02: | の如くなる念佛にて。たとひ往生しても。皆々極樂の |
Z14_0067A03: | 順禮やど位ならでは。えをらず。悟りかねて。ぐづゝ |
Z14_0067A04: | き。早く悟る人を見て。けなりく思ふて居られ。たゞ |
Z14_0067A05: | 僞作の卽心念佛信仰の。淸堂のみが。千萬億の僧俗男 |
Z14_0067A06: | 女にも勝れ。開山祖師の。眞盛上人よりも。勝たる往 |
Z14_0067A07: | 生をして。眞盛上人や。其流をくむ。僧俗男女の。悟り |
Z14_0067A08: | かねてぐづゝくを見て。哀れなることゝ思ふて。居ら |
Z14_0067A09: | るゝと云れんや。さて〱信仰し難き談義なり。左樣 |
Z14_0067A10: | に云れては。眞盛上人を祖師と仰ぐ。天台律宗の僧俗 |
Z14_0067A11: | 男女は。全く以て受取まじきことなり。此に知ぬ。談 |
Z14_0067A12: | 義本の。理觀の一道を專らとせらるゝは。天台四明。 |
Z14_0067A13: | 慈雲大師。慧心僧都等の敎行に。違背すること明白な |
Z14_0067A14: | れば。無智無眼の輩は。頂戴奉持し。讃歎弘通すとも。 |
Z14_0067A15: | 有智有眼の人は。誰か之を信受せんや。又先年撰ぜ |
Z14_0067A16: | られし。台宗綱要には。事持と云は。餘念を起さず。心 |
Z14_0067A17: | を彌陀の名號にかけて。南無阿彌陀佛と唱るなり。此 |
Z14_0067B01: | 邊は。善導法然の勸めと。かはることなしと云れた |
Z14_0067B02: | り。此云分の通りなれば。善導法然とかはることな |
Z14_0067B03: | き。事相本願の念も。なる程天台宗に立ることなる |
Z14_0067B04: | に。此度は胸中に一物ある故か。何と思れし故にや。 |
Z14_0067B05: | それを全く云ず。たゞ理觀の一道ばかりを談して。 |
Z14_0067B06: | 卽心を云ぬ。但の事相の念佛は。佛說の乳に。大分水 |
Z14_0067B07: | を加るの。極樂の順禮やど位ならでは。えをるまじな |
Z14_0067B08: | どゝ云て。他宗の人の忿恨を發し。自宗の祖の敎行に |
Z14_0067B09: | 背かるゝは。これ笑止なることならずや。 |
Z14_0067B10: | 談曰。其根本は。佛の說玉へる。觀經より出たりと |
Z14_0067B11: | 云は。是心作佛。是心是佛と說せ玉へる文なり。乃至 |
Z14_0067B12: | 本來佛と。めん〱の心とは。同一體にして。少し |
Z14_0067B13: | も相かはらぬものなれば。是心是佛と說玉ふ。我心 |
Z14_0067B14: | と佛と。相かはらずと思ふて。佛を思ひ佛の名を唱 |
Z14_0067B15: | れば。我が卽ち阿彌陀如來の如くの。結構なる佛に |
Z14_0067B16: | なるゆへに。是心作佛と說せ玉へり。 |
Z14_0067B17: | 辨曰。卽心念佛の根本は。佛の說玉へる。觀經より出 |