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Z1390 即心念仏談義本弁偽 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0066A01: 人の。妙行業記の文にも。往生之業。念佛爲先といへ
Z14_0066A02: り。然則ち源空は。大唐の善導和尙の敎へに隨ひ。本
Z14_0066A03: 朝の慧心の先德の勸めに任せて。稱名念佛の勤め。長
Z14_0066A04: 日六萬遍なり等との玉へり。爾らば法然上人の長日
Z14_0066A05: 六萬遍の稱名念佛も。根本慧心の勸めに任すとある
Z14_0066A06: からは。いよ〱慧心は。理觀の一道を專らとせず。
Z14_0066A07: 事相の稱名を勤め玉ふと云こと炳然なり。 又西敎
Z14_0066A08: 寺の開山なる。眞盛上人の別傳を見るに。文明十五
Z14_0066A09: 年。晦跡黑谷靑龍寺。專閱大藏。決志西邁。課佛號
Z14_0066A10: 日別六萬聲。曾無廢缺。十七年六月。詣台山淨土院阿
Z14_0066A11: 彌陀堂。祈大菩提心三七日。夢一老比丘授慧心往生
Z14_0066A12: 要集曰。當此書。要自利上レ他。乃至巡歷江勢越賀之
Z14_0066A13: 。以專弘彌陀洪名己任。臨終遺誡云。汝等當
Z14_0066A14: 欲淸淨。專勤念佛。乃端坐合掌。稱名數百遍。寂然而化
Z14_0066A15: といへり。此傳に任せて見れば。眞盛上人も亦理觀を
Z14_0066A16: 專らとはせず。たゞ口稱事相の念佛を。長日六萬遍勤
Z14_0066A17: め玉ひ。なを叡山の淨土院にて。夢中の吿を蒙り。慧
Z14_0066B01: 心の先德の。往生要集に依て。自の爲にも。他の爲に
Z14_0066B02: も。臨終の遺誡までも。稱名念佛を專ら勤めよと勸め
Z14_0066B03: 玉へり。因て本山に於ては。不斷念佛の道場を設け。
Z14_0066B04: 卽心の旨を明さぬ。無量壽經の本願の數に準じて。至
Z14_0066B05: る處に。四十八夜の念佛會を開き玉ふは。皆これ本願
Z14_0066B06: 口稱の事の念佛にして。理觀の卽心念佛には非ず。傳
Z14_0066B07: の中を。始終遍く尋るに。卽心唯心の觀は。一處も見
Z14_0066B08: えず。三諦三觀の行は。一句もなければ。眞盛上人の
Z14_0066B09: 勤め玉ふは。決して事相本願の口稱念佛なること明
Z14_0066B10: かなり。もし談義本の如く。卽心の旨を云ぬ念佛は。
Z14_0066B11: 大分水を加えたる乳にして。極樂の順禮やど位なら
Z14_0066B12: では。えをるまじ。事の念佛ばかりにて。往生したる
Z14_0066B13: 人は。悟りかねて。ぐづゝき。卽心念佛の人の。早く悟
Z14_0066B14: るを見ては。けなりく思ふことならば。眞盛上人も。
Z14_0066B15: 卽心約心の理觀の念佛には非ず。たゞ事の口稱念佛
Z14_0066B16: を。自の爲にも。他の爲にも。勤め玉ふ程に。眞盛上人
Z14_0066B17: を始めとして。それより今に至るまでの。其宗旨を受

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