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Z1390 即心念仏談義本弁偽 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0063A01: 。如是十氣。名爲十念。云云次に發願回向の文あり。
Z14_0063A02: 略して之を出すに。我今正念。稱如來名。經十念頃
Z14_0063A03: 菩提道。求淨土。乃至願此十念。得如來大誓
Z14_0063A04: 海中。承佛慈力。衆罪消滅。淨因增長。若臨命終
Z14_0063A05: 自知時至。身不病苦。心無貪戀。心不倒散。如
Z14_0063A06: 。佛及聖衆。手持金臺。來迎接我。如一念頃。生
Z14_0063A07: 樂國。華開見佛。卽聞佛乘。頓開佛慧。廣度衆生。滿
Z14_0063A08: 菩提願と云り。此願文も。卽心唯心の名もなく。三觀
Z14_0063A09: 三諦の言もなく。たゞ事相口稱の念佛にて。衆罪も消
Z14_0063A10: 滅し。一念の頃に。極樂に往生して。卽ち一佛乘の悟
Z14_0063A11: りを開。廣く一切衆生を濟度し。無上菩提を滿足せん
Z14_0063A12: との發願なれば。實にあり難きことなるが故。誰人も
Z14_0063A13: 信受奉行すべきこと。天台宗にても。尊重すまじき法
Z14_0063A14: に非ず。因て慈雲大師も。念佛の方法を示すのみなら
Z14_0063A15: ず。又此晨朝十念法を立て但事の稱名念佛を。重々勸
Z14_0063A16: め玉へるは。談義本のたゞ理觀の一道計りと云るゝ
Z14_0063A17: とは。大に相違することなれば。此慈雲大師に依ん
Z14_0063B01: や。また談義本に依んや。天台の末學。請此二つの者
Z14_0063B02: を擇へ。 又第七座の末に於て。天台宗ならば。卽心
Z14_0063B03: 念佛を。自の爲にも。他の爲にも。專らとせいでは。天
Z14_0063B04: 台宗になりたる甲斐は。なきなりと談ぜられたり。此
Z14_0063B05: 通りならば。四明尊者や。慈雲大師も。卽心念佛ばか
Z14_0063B06: りを專らとはせず。事相本願の。口稱念佛をも。兼て
Z14_0063B07: 勸め玉ふ程に。四明慈雲も。また天台宗になり玉ふ甲
Z14_0063B08: 斐は。なきなりと斥けられんや。頗る不審なり。もし
Z14_0063B09: 四明慈雲は。天台宗になり玉ふ甲斐なく。たゞ談義本
Z14_0063B10: のみ。天台宗になられし甲斐ありて。天台宗の嫡々
Z14_0063B11: と。自負して居らるゝならば。天台宗にて綱格なる。
Z14_0063B12: 內外境觀の分ちにさへ暗くして。重々山外に似たる
Z14_0063B13: ことをいひ。なを此度の樣に不埓なる談義をして。左
Z14_0063B14: 樣に自負せらるゝは。近比不覺悟なることなる程に。
Z14_0063B15: 早速に改悔して。日比の安心を仕直て然るべきなり。
Z14_0063B16: 四明慈雲の意。上の如くなるのみならず。更に天台
Z14_0063B17: 智者の敎を見るに。心觀爲宗の。修心妙觀のとある

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