浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0058A01: | 三諦の妙理を觀する。理觀とは云れず。上の文に。良 |
Z14_0058A02: | 以二愍レ物情深。適レ時智巧一。故多談二事相一。少示二觀門一とい |
Z14_0058A03: | へる此なり。故此に至て。適レ時之巧。非二我所一レ能等と |
Z14_0058A04: | の玉へるは。彼孤山等。深妙の理觀にたえぬ。下凡の |
Z14_0058A05: | 緣種を霑さんが爲。且く時の機の宜きに適ふて。多く |
Z14_0058A06: | 事相の觀を以て示さるゝを適レ時之巧との玉へるも |
Z14_0058A07: | のなり。かくの如くに見てこそ。序の文の上下。よく |
Z14_0058A08: | 照應すれ。爾らば此は。別して觀經に明せる。觀法の |
Z14_0058A09: | 一色のみを釋する上にて。の玉へることなれば。全く |
Z14_0058A10: | 以て談義本の如く。時々の宜きに順つて。色々の法門 |
Z14_0058A11: | を說ことには非ず。而るを總して佛や大菩薩のそれ |
Z14_0058A12: | 〲の機に適ふて。さま〲の法門を授ることと見 |
Z14_0058A13: | られたるは。さし當る序の文意をさへ。とくと知れね |
Z14_0058A14: | は。後に明せる妙觀法を。理の觀念やら。事の口稱や |
Z14_0058A15: | ら。何ともしれぬ。模稜の手の權なる。卽心念佛を談 |
Z14_0058A16: | し出さるゝは。其筈なり。卽心念佛と云名を立て。弘 |
Z14_0058A17: | め玉へるは。なる程四明尊者なるが。其四明の立玉ふ |
Z14_0058B01: | 卽心念佛とは。約心觀佛と云と。同じことなるが故。 |
Z14_0058B02: | 念とは觀念の念にして。 |
Z14_0058B03: | 虎溪境觀要門には。卽心觀佛。亦名二約心觀佛一と |
Z14_0058B04: | いへり。 |
Z14_0058B05: | 前に圓解を開て。三諦の理を明かにし。而して後不可 |
Z14_0058B06: | 思議の一心三觀を以て。彌陀の身相を。唯心に約し |
Z14_0058B07: | て。三諦法界と。絕對に觀する。圓妙の觀佛を名け玉 |
Z14_0058B08: | ふて。南無阿彌陀佛と。念佛申すことには非ず。其相 |
Z14_0058B09: | 天台四明の疏鈔。明かなること赫日の如くなれば。 |
Z14_0058B10: | 有レ眼の人。誰か見ざらんや。而るを談義本は。四明の |
Z14_0058B11: | 卽心念佛との玉ふ念佛を。誤て口稱の念佛のことな |
Z14_0058B12: | りと思ひなし。それからして。淨土も彌陀も。卽ち我 |
Z14_0058B13: | 心なりと知て。念佛申して。往生を求るが。卽心念佛 |
Z14_0058B14: | なりと。口にて申す念佛にて云るゝは。明かに四明所 |
Z14_0058B15: | 立の卽心念佛には非ず。談義本の僞作なること顯然 |
Z14_0058B16: | なり。況や淨土も彌陀も。我心なりと知てと。云るゝ |
Z14_0058B17: | 所の知とは。且く與へて云に。これ開解の分齊にし |