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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0053A01: 往復の切紙とて印板し。難詰せらるゝ等のこと。皆是
Z14_0053A02: 貪愛と。嗔と。慢と。名利との所作にして。眞の道人に
Z14_0053A03: はあらず。嗚呼卽心念佛や。心口各異。言念無實とい
Z14_0053A04: いつべし。
Z14_0053A05: 談曰。猶を譬を以て。此を云ふに。東國西國の田舍人
Z14_0053A06: 乃至淨土宗が聞たらば。勿體なき惡口なり等。辨
Z14_0053A07: 曰。これは早伏難を通じられしが。惡口に非ずして。
Z14_0053A08: 何と云べきや。事持念佛者の信を妨くる惡意。於
Z14_0053A09: 顯れぬ。引證の文の。聞法生謗と云ば。乃ち老漢淨土
Z14_0053A10: の法を聞て。かく謗りを。なさるゝからは。墮獄疑ひ
Z14_0053A11: なし。若又如此引文は。卽心と事相との證文になる
Z14_0053A12: や否。這箇惡比丘拔舌不遠。
Z14_0053A13: 談曰。事の念佛を。云さますに心なし。卽心念佛を燒
Z14_0053A14: つけんとの心なり。辨曰。是れはいゝわけと云ふも
Z14_0053A15: のなり。凡そ佛化を助け。爲人悉檀に心あらんもの
Z14_0053A16: は。何れの宗。何れの法よりも。衆生の斷迷開悟を思
Z14_0053A17: ひ。先づ佛法の分を得せしむるを。善しとすべし。今
Z14_0053B01: 日公私に暇なく。或は星を戴き。月を帶るの業作の
Z14_0053B02: 者。或は惡律儀の渡世。飛脚駕籠かき。一文不通の頑
Z14_0053B03: 愚の輩。皆是佛法の分。毫もなし。幸に我か祖。專ら此
Z14_0053B04: 法門を弘め玉へり。不行住坐臥。時節久近。念佛す
Z14_0053B05: るに。かたからず。解あるものは。解に卽して唱へ。學
Z14_0053B06: 德の鴻儒は。摛毫して誓をなし。鉅賢至聖は文藻を舒
Z14_0053B07: へて盟をなし。解なきものは。仰いで信じて。往生を
Z14_0053B08: 願す。經には特留此經。止住百歲と說き。慈恩は。經道
Z14_0053B09: 滅盡の後の益とし。善導は。萬年三寶滅。此經住百年
Z14_0053B10: と釋して。並に稱名の利益なり。然れば肩荷法門の大
Z14_0053B11: 德は。隨喜して可勸の法門なり。老漢も。前には法然
Z14_0053B12: 上人のこの敎。大慈大悲より起れり。誠にあり難き御
Z14_0053B13: すゝめなりと讃せられて。今はまた。極樂の巡禮宿の
Z14_0053B14: 樣な所に生るとて。信を妨げ。疑路に墮さんとする
Z14_0053B15: は。無慚放逸の至にあらずや。今時誰か卽心の妙解を
Z14_0053B16: 開き。觀心念佛すべきや。彼も妨げ。此れも成ぜず。邯
Z14_0053B17: 鄲に步みを傚ふ。畢竟焦𤍠の火のたきつけなり。今の

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