浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0053A01: | 往復の切紙とて印板し。難詰せらるゝ等のこと。皆是 |
Z14_0053A02: | 貪愛と。嗔と。慢と。名利との所作にして。眞の道人に |
Z14_0053A03: | はあらず。嗚呼卽心念佛や。心口各異。言念無實とい |
Z14_0053A04: | いつべし。 |
Z14_0053A05: | 談曰。猶を譬を以て。此を云ふに。東國西國の田舍人 |
Z14_0053A06: | 乃至淨土宗が聞たらば。勿體なき惡口なり等。辨 |
Z14_0053A07: | 曰。これは早伏難を通じられしが。惡口に非ずして。 |
Z14_0053A08: | 何と云べきや。事持念佛者の信を妨くる惡意。於レ之 |
Z14_0053A09: | 顯れぬ。引證の文の。聞レ法生レ謗と云ば。乃ち老漢淨土 |
Z14_0053A10: | の法を聞て。かく謗りを。なさるゝからは。墮獄疑ひ |
Z14_0053A11: | なし。若又如レ此引文は。卽心と事相との證文になる |
Z14_0053A12: | や否。這箇惡比丘拔舌不レ遠。 |
Z14_0053A13: | 談曰。事の念佛を。云さますに心なし。卽心念佛を燒 |
Z14_0053A14: | つけんとの心なり。辨曰。是れはいゝわけと云ふも |
Z14_0053A15: | のなり。凡そ佛化を助け。爲人悉檀に心あらんもの |
Z14_0053A16: | は。何れの宗。何れの法よりも。衆生の斷迷開悟を思 |
Z14_0053A17: | ひ。先づ佛法の分を得せしむるを。善しとすべし。今 |
Z14_0053B01: | 日公私に暇なく。或は星を戴き。月を帶るの業作の |
Z14_0053B02: | 者。或は惡律儀の渡世。飛脚駕籠かき。一文不通の頑 |
Z14_0053B03: | 愚の輩。皆是佛法の分。毫もなし。幸に我か祖。專ら此 |
Z14_0053B04: | 法門を弘め玉へり。不レ問二行住坐臥。時節久近一。念佛す |
Z14_0053B05: | るに。かたからず。解あるものは。解に卽して唱へ。學 |
Z14_0053B06: | 德の鴻儒は。摛毫して誓をなし。鉅賢至聖は文藻を舒 |
Z14_0053B07: | へて盟をなし。解なきものは。仰いで信じて。往生を |
Z14_0053B08: | 願す。經には特留此經。止住百歲と說き。慈恩は。經道 |
Z14_0053B09: | 滅盡の後の益とし。善導は。萬年三寶滅。此經住百年 |
Z14_0053B10: | と釋して。並に稱名の利益なり。然れば肩荷法門の大 |
Z14_0053B11: | 德は。隨喜して可レ勸の法門なり。老漢も。前には法然 |
Z14_0053B12: | 上人のこの敎。大慈大悲より起れり。誠にあり難き御 |
Z14_0053B13: | すゝめなりと讃せられて。今はまた。極樂の巡禮宿の |
Z14_0053B14: | 樣な所に生るとて。信を妨げ。疑路に墮さんとする |
Z14_0053B15: | は。無慚放逸の至にあらずや。今時誰か卽心の妙解を |
Z14_0053B16: | 開き。觀心念佛すべきや。彼も妨げ。此れも成ぜず。邯 |
Z14_0053B17: | 鄲に步みを傚ふ。畢竟焦𤍠の火のたきつけなり。今の |