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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

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巻_頁段行 本文
Z14_0051A01: 道共戒のごとく。斯れは是れ佛號の具德にして。其の
Z14_0051A02: 滅罪廣大無邊なり。是佛智の所構なれば理は勝れ事
Z14_0051A03: は劣ると云こと。曾てなきことなり。然れども。如
Z14_0051A04: 功德に誇て。ことさらに惡をなし。暴虎憑河して。悔
Z14_0051A05: なきものは。佛菩薩とても如何かせん。
Z14_0051A06: 談曰。四明の永く異事善及小乘行得往生。辨曰。
Z14_0051A07: 四明は天台にをなじく。妙觀を宗とし玉へば。凡小
Z14_0051A08: の善行とは。散善三福等の事善をさすなり。稱名念
Z14_0051A09: 佛のことにてはなし。此の文次の文。皆まぎらかしな
Z14_0051A10: り。事善は散善なれば。劣なりとの判釋なり。宗家とは
Z14_0051A11: 各別の所立なれば。所望不同なり。然るに今事の念佛
Z14_0051A12: の人。小乘行などの人の見る所とは大いにちがへり
Z14_0051A13: とは。四明何れの處に。事の念佛の人とさすや。照曜
Z14_0051A14: 裏の刧賊なり。
Z14_0051A15: 談曰。業力所隔。感見不同等。 辨曰。天台四明等。な
Z14_0051A16: を自力の封執ありて淨土を判す。若し自らの業力修
Z14_0051A17: 因を論ぜば。地前猶難及。而るに凡夫の得生を許す
Z14_0051B01: は。唯佛願の强緣に牽かれて。毫も私なし。縱ひ卽心
Z14_0051B02: 觀行のものにもせよ。具足大戒の比丘にもせよ。見思
Z14_0051B03: 未斷の凡夫。窺べき所に非ず。而るに惡人女人の得生
Z14_0051B04: を許すは。皆願力なり。他力なり。如來兆載永刧の修
Z14_0051B05: 因に酬て。感得し玉ふ報身報土。以佛力故に感見す。
Z14_0051B06: 焉んぞ優劣を論ぜんや。旣に韋提垢凡の女質。有漏の
Z14_0051B07: 眼を以て。無漏の勝境を見るは。以佛力故なり。今日
Z14_0051B08: 得生後尙を爾なり。事の念佛者は。佛誓に能くかなへ
Z14_0051B09: ば。所見遙に勝る。論注に所謂。正覺の華より生ずれ
Z14_0051B10: ばなり。今老漢の敎のごとく。西方も彌陀も。心を離
Z14_0051B11: れぬときゝて。凡情妄想の臆度の開解。何ぞ勝境を拜
Z14_0051B12: せんや。得生尙を難許。願文に異するが故に。諸佛の
Z14_0051B13: 證誠なきが故に。四明の釋は。能く觀し。觀成理顯の
Z14_0051B14: 者の上へを釋して。永く異他部との玉ふ。老漢の所
Z14_0051B15: 立と。玉石濫することなかれ。
Z14_0051B16: 談曰。一質異見異質異見云云。辨曰。此れら。群疑論
Z14_0051B17: に釋すれば。今煩しく不出。一往法相附順の釋なり。

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