浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0050A01: | となり。因てかゝる末法の惡業重き輩に。一心三觀の。 |
Z14_0050A02: | 三密の修行の坐禪觀法のと云ては。よく勤むる人さ |
Z14_0050A03: | へ。間希なることなれば。況や時機相應して。速に證 |
Z14_0050A04: | 悟を得ることはあるべからず。十方衆生の願文には。 |
Z14_0050A05: | かゝる惡業の輩をもすて玉はず。順次に往生して。不 |
Z14_0050A06: | 退轉の身となり。無生忍の悟りを開かしめ玉ふ。本願 |
Z14_0050A07: | の念佛は。最も時機相應なること。いよ〱顯然明白 |
Z14_0050A08: | なるに非ずや。何れの宗にか。かくの如く廣く惡人善 |
Z14_0050A09: | 人。智者愚者を擇ばず。末法惡業の時機に應じて。速に |
Z14_0050A10: | 生死を出離して。不退轉を得せしむることあるや。 |
Z14_0050A11: | 談曰。卽心念佛は。時機相應にあらずと。云べからず |
Z14_0050A12: | 等。辨曰。僥倖に。圓頓の宿習なるもの。至極の法門 |
Z14_0050A13: | 云にたらず。爾れども今此の談義のごとく。唯心西方 |
Z14_0050A14: | の妙解。或は死なずして死に。生れずして生る。陰入 |
Z14_0050A15: | に卽する彌陀等のこと。近く山下の野夫に對して示 |
Z14_0050A16: | さんに。會得するや否。試て可レ知ことなり。此れ則ち |
Z14_0050A17: | 時機相應にあらざることを。應レ知。大論曰錯投レ藥者。 |
Z14_0050B01: | 病則爲レ增云云若し西方も彌陀も。唯心ときかば却て |
Z14_0050B02: | 大に僻見となるべし。危きこと累卵に過たり。隨分二 |
Z14_0050B03: | 而に下りて敎え。自づから致二不二一。善巧とす。雷聲洪 |
Z14_0050B04: | 大にして。雨天全くなし。 |
Z14_0050B05: | 談曰。卽心念佛は。事の念佛に遙かに勝て乃至先三世 |
Z14_0050B06: | の罪を滅する等。辨曰。是れ何と云ことそや。事にも |
Z14_0050B07: | せよ。理にもせよ。念佛滅罪は。經の中に說玉ふ。稱佛 |
Z14_0050B08: | 名故。於念々中。除八十億刧。生死之罪とは。稱名の滅 |
Z14_0050B09: | 罪なり。般舟賛にも。念々稱名常懺悔と釋し玉て。專 |
Z14_0050B10: | 修の行者。必しも自己の罪體に目をかけず。唯た本願 |
Z14_0050B11: | の不思議を信じて。常に能く念佛すれば。名號の中に |
Z14_0050B12: | 滅罪の德用ありて。諸礙自然に消除す。觀無生等の理 |
Z14_0050B13: | の懺悔を用ひず。然れども善導の禮讃の廣懺悔。又五 |
Z14_0050B14: | 悔等は。是れ行事の方法の作式なり。一向に用ひざる |
Z14_0050B15: | にも非ず。所作の罪を悲傷するは。後世者の常の用心 |
Z14_0050B16: | なり。聖淨二門これ同じ。故に不レ怠念佛して。三業の |
Z14_0050B17: | 過非を恐れば。自ら防非止惡の義そなわりて。例せば |