浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0049A01: | にあらず。橘皇后。千代野を以て例とせば。老漢何ぞ |
Z14_0049A02: | 大悟せずして。ぐずつかるゝや。筆を勞する而已に |
Z14_0049A03: | て。無益の言辭なり。通敎にもせよ。別敎にもせよ。斯 |
Z14_0049A04: | れらこそ。宿習開發のもの歟。卽心念佛者は。鵜のま |
Z14_0049A05: | ねする烏。 |
Z14_0049A06: | 談曰。さて又淨土宗。時機相應と云へども乃至天台宗 |
Z14_0049A07: | もあり。禪宗もあり等。 辨曰。是亦絕倒するの談義 |
Z14_0049A08: | なり。時機の應不は。法門のことなり。宗旨のことに |
Z14_0049A09: | てはなし。南都には今に法相俱舍宗もあり。昔は吉利 |
Z14_0049A10: | 支丹耶蘇宗もあり。夫が。相應不相應のと云べきや。 |
Z14_0049A11: | 時機相應と云ば。五濁亂漫の世なり。人も下根にし |
Z14_0049A12: | て。三學分なし。都鄙共に。宗旨も寺も僧もあれども。 |
Z14_0049A13: | 坐禪觀法。三密瑜伽の修行に堪がたし。皆宗の規則ば |
Z14_0049A14: | かりにして。機敎相應しがたし。尤も多き中には。一 |
Z14_0049A15: | 人もあるまじきにも非ず、老漢も。間有レ之いへり。あ |
Z14_0049A16: | ひだにはあるべし。念佛のものは。三歲の兒。八十の |
Z14_0049A17: | 老翁八宗九宗。智愚となく。皆能く念佛す。正しく現 |
Z14_0049B01: | 量底なり。恐くは天下を十分にして。八九分の有情 |
Z14_0049B02: | は。念佛を唱ふ。是れ時機相應の現證なり。迦才淨土 |
Z14_0049B03: | 論曰。若自知レ有二定慧分一者。卽於二此方一修レ道。求二無上 |
Z14_0049B04: | 道一。若自知レ無二定慧分一者。卽須下修二淨土門一。就二淨土中一。 |
Z14_0049B05: | 求中無上菩提上。 |
Z14_0049B06: | 談曰。淨土宗の僧。乃至撥無したる人甚だをゝし。何と |
Z14_0049B07: | して知るぞと云へば。其の人々の平生の身もちにて。 |
Z14_0049B08: | 知るゝことなり。辨曰。淨土宗の僧。大分多きことな |
Z14_0049B09: | れば。其中には。なる程心の底には。淨土もなし。阿彌 |
Z14_0049B10: | 陀もなしと。撥無したる人もあるべし。さりながら。 |
Z14_0049B11: | よく吟味して見られよ。此撥無の人は。淨土宗よりも。 |
Z14_0049B12: | 他宗の中に。猶以て甚だ多く有レ之ことなり。而るを別 |
Z14_0049B13: | して淨土宗とさし出さるゝは。彼胸中の一物のなす |
Z14_0049B14: | 所なり。又平生の身もち惡きこと。も尤も此事今時諸 |
Z14_0049B15: | 宗の僧。皆大樣同じことにてはあるなりと。談ぜらる |
Z14_0049B16: | ゝが如く。末法濁世のことなれば。淨土宗に限らず。他 |
Z14_0049B17: | 宗にも。亦いよ〱多く聞ゆるが故。平生歎息するこ |