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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0049A01: にあらず。橘皇后。千代野を以て例とせば。老漢何ぞ
Z14_0049A02: 大悟せずして。ぐずつかるゝや。筆を勞する而已に
Z14_0049A03: て。無益の言辭なり。通敎にもせよ。別敎にもせよ。斯
Z14_0049A04: れらこそ。宿習開發のもの歟。卽心念佛者は。鵜のま
Z14_0049A05: ねする烏。
Z14_0049A06: 談曰。さて又淨土宗。時機相應と云へども乃至天台宗
Z14_0049A07: もあり。禪宗もあり等。 辨曰。是亦絕倒するの談義
Z14_0049A08: なり。時機の應不は。法門のことなり。宗旨のことに
Z14_0049A09: てはなし。南都には今に法相俱舍宗もあり。昔は吉利
Z14_0049A10: 支丹耶蘇宗もあり。夫が。相應不相應のと云べきや。
Z14_0049A11: 時機相應と云ば。五濁亂漫の世なり。人も下根にし
Z14_0049A12: て。三學分なし。都鄙共に。宗旨も寺も僧もあれども。
Z14_0049A13: 坐禪觀法。三密瑜伽の修行に堪がたし。皆宗の規則ば
Z14_0049A14: かりにして。機敎相應しがたし。尤も多き中には。一
Z14_0049A15: 人もあるまじきにも非ず、老漢も。間有之いへり。あ
Z14_0049A16: ひだにはあるべし。念佛のものは。三歲の兒。八十の
Z14_0049A17: 老翁八宗九宗。智愚となく。皆能く念佛す。正しく現
Z14_0049B01: 量底なり。恐くは天下を十分にして。八九分の有情
Z14_0049B02: は。念佛を唱ふ。是れ時機相應の現證なり。迦才淨土
Z14_0049B03: 論曰。若自知定慧分者。卽於此方道。求無上
Z14_0049B04: 。若自知定慧分者。卽須淨土門。就淨土中
Z14_0049B05: 無上菩提
Z14_0049B06: 談曰。淨土宗の僧。乃至撥無したる人甚だをゝし。何と
Z14_0049B07: して知るぞと云へば。其の人々の平生の身もちにて。
Z14_0049B08: 知るゝことなり。辨曰。淨土宗の僧。大分多きことな
Z14_0049B09: れば。其中には。なる程心の底には。淨土もなし。阿彌
Z14_0049B10: 陀もなしと。撥無したる人もあるべし。さりながら。
Z14_0049B11: よく吟味して見られよ。此撥無の人は。淨土宗よりも。
Z14_0049B12: 他宗の中に。猶以て甚だ多く有之ことなり。而るを別
Z14_0049B13: して淨土宗とさし出さるゝは。彼胸中の一物のなす
Z14_0049B14: 所なり。又平生の身もち惡きこと。も尤も此事今時諸
Z14_0049B15: 宗の僧。皆大樣同じことにてはあるなりと。談ぜらる
Z14_0049B16: ゝが如く。末法濁世のことなれば。淨土宗に限らず。他
Z14_0049B17: 宗にも。亦いよ〱多く聞ゆるが故。平生歎息するこ

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