浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0045A01: | して悟二-得無生妙理一なり。因て鸞師は。不斷煩惱。得𣵀 |
Z14_0045A02: | 槃分と釋し玉へり。たゞいわれざる。心法沙汰を止め |
Z14_0045A03: | て。他力に打もたれて念佛し玉へ。 |
Z14_0045A04: | 談曰。昔人の云へるは。往生を求る人は。死ぬると思 |
Z14_0045A05: | ふべからず。只生ると思ふべしと。辨曰。是れは淨 |
Z14_0045A06: | 家に常に云ことにて。往生を勸るが故の辭なり。或は |
Z14_0045A07: | 諸願滿足するの時と思ふべしとも云へり。因みに云 |
Z14_0045A08: | はん。事持念佛申すことを。何のためぞと。ひとが問 |
Z14_0045A09: | ば。娑婆分段の穢質を捨てゝ。淨土へ生るゝと答べ |
Z14_0045A10: | し。それにては生の見を離れずと云はゝ。喩ていへ。 |
Z14_0045A11: | 砂糖などの入し。曲け物の蓋は。一枚板なれば。生の |
Z14_0045A12: | 方を强くをせぱ。獨り無生の方が。あがりて。一法界 |
Z14_0045A13: | となるなり。無生に卽するの生なればなりと。長蘆𧷤 |
Z14_0045A14: | 禪師曰。夫以レ念爲レ念。以レ生爲レ生者。常見之所レ失也。 |
Z14_0045A15: | 以二無念一爲二無念一以二無生一爲二無生一。邪見之所レ感也。念 |
Z14_0045A16: | 而無念。生而無生者。第一義也。 |
Z14_0045A17: | 談曰。卽心念佛申しも。まことの時は涙を。こぼすと |
Z14_0045B01: | 笑ふべし。此の笑尤なるやうにて。聞ぬことなり。譬 |
Z14_0045B02: | へは御公家の御歷々か。姫君を歷々の大名へ遣さる |
Z14_0045B03: | るには等。 辨曰。此段別して。人の一大事を誤る魔 |
Z14_0045B04: | 說なり。必々勿レ入二邪窟一。御姫樣の嫁入は。江戶まて泣 |
Z14_0045B05: | つめても。苦しかるまじきが。曠刧希遇の一大事の。 |
Z14_0045B06: | 出離生死。臘月三十日の時。なごりをおしみ。境界愛 |
Z14_0045B07: | を起して。落涙にをよばゞ。忽可レ墮二惡趣一必せり。是 |
Z14_0045B08: | れは忘惡迷執なり。恐れても尙を可レ惶之用心なり。 |
Z14_0045B09: | 又始の喜びは底にありて。隨レ時泣とのこと。さては |
Z14_0045B10: | 公家大名の娘。家賴には。同時並起を許す乎。憂と喜 |
Z14_0045B11: | とは表裏なり。前後忘却して袖をしぼるは。別離の悲 |
Z14_0045B12: | き分にて。無生を解する悲喜交互ともいわれまじ。さ |
Z14_0045B13: | てさて精き學者。戰慄するに堪たり。彼五戒の優婆 |
Z14_0045B14: | 塞。臨終一念の愛に依て。婦の鼻中の虫となるが如 |
Z14_0045B15: | し。經律異相さてあぶなき妄談義なり。又今家の。事相念佛 |
Z14_0045B16: | 者の臨終は。名號に三緣の義ありて。平生まめやか |
Z14_0045B17: | に。念佛せしものも臨終始て念佛せしものも。化佛菩 |