浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0046A01: | 薩尋聲到とて。其の聲につきて。佛菩薩等の來迎あれ |
Z14_0046A02: | は。諸邪業繫。無能礙者とて。無始の罪障業惑。一も障 |
Z14_0046A03: | ることなく。華臺に目移りして。穢土の名殘も忘。聖 |
Z14_0046A04: | 衆を拜すれは。妻子眷屬の愛もなく。頭を傾るとひと |
Z14_0046A05: | しく。蓮臺に趺を結。佛に引接せられてゆけば。橫截 |
Z14_0046A06: | 五惡趣。惡趣自然閉と何の恐もなく。其の身を顧れ |
Z14_0046A07: | ば。紫磨黃金の膚となるなり。卽心念佛者は。袖をし |
Z14_0046A08: | ぼらるべし。これぞよき笑ものなり。 |
Z14_0046A09: | 談曰。淨土宗の人佛敎の大意を能しり。見識あるより |
Z14_0046A10: | 務るにあらざれば。尊に足らず等。 辨曰。さて〱 |
Z14_0046A11: | 慮外千般。慢過慢といゝつべし。上代和漢の碩德高僧 |
Z14_0046A12: | は云にをよばす。法然上人已來の緇素を。一槪に無二 |
Z14_0046A13: | 見識一頑魯とは。以レ何言レ之耶。縱一隻眼を具するもの |
Z14_0046A14: | も。尼入道に同ふして。智者の振舞をせざるが。淨土 |
Z14_0046A15: | の宗意なれば。隱レ光韜レ德。上人も不レ尠。光明は覺王 |
Z14_0046A16: | の化身。法然は勢至の權跡なり。其の流を汲んで。超 |
Z14_0046A17: | 世の願意を悟りて。㨗徑の淨土を願ふは。見識あるか |
Z14_0046B01: | 故なり。怯弱區々の器材を以て。志幹歷々の觀解を修 |
Z14_0046B02: | し。無明を絕去し。塵勞を追却して。直ちに實際の扃 |
Z14_0046B03: | に至らんこと。階たてゝも難レ及。故に鐘打たゝき念 |
Z14_0046B04: | 佛して。悟道を一念にとりて。早作佛を求む。これ大 |
Z14_0046B05: | 見識なり。和漢の碩德。本宗を捨てゝ。念佛門に入る。 |
Z14_0046B06: | 今日の緇素。衆車同轍なり。凡そ淨家に定二往生一三等 |
Z14_0046B07: | あり。一無生而生の往生。在世滅後薩埵。或は天衣天 |
Z14_0046B08: | 如天台等の類は。早作佛のゆへに願二往生一。二證得往 |
Z14_0046B09: | 生。如二韋提侍女等一。三見生無生の往生。今日如二凡夫一 |
Z14_0046B10: | 是也。第一無生而生類。三界業繫畢竟して斷盡し。無 |
Z14_0046B11: | 生忍の位に至り。隨二其心淨一。卽佛土淨。光明大師曰。 |
Z14_0046B12: | 門門見佛。得生淨土。斯れ乃十方法界にして。彌陀卽 |
Z14_0046B13: | 諸佛。諸佛卽ち彌陀。一多包容。大小融通す。於レ中願二 |
Z14_0046B14: | 極樂一。超勝特妙にして。六八莊嚴の故に。別して願生 |
Z14_0046B15: | するなり。不退の土住二正定一故に。二證得往生とは。 |
Z14_0046B16: | 如二韋提一。垢凡の女質。未レ捨二質礙身一。佛力に加被せら |
Z14_0046B17: | れて。悟二無生忍一。觀經の卽便往生なり。是れ韋提一人 |