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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0046A01: 薩尋聲到とて。其の聲につきて。佛菩薩等の來迎あれ
Z14_0046A02: は。諸邪業繫。無能礙者とて。無始の罪障業惑。一も障
Z14_0046A03: ることなく。華臺に目移りして。穢土の名殘も忘。聖
Z14_0046A04: 衆を拜すれは。妻子眷屬の愛もなく。頭を傾るとひと
Z14_0046A05: しく。蓮臺に趺を結。佛に引接せられてゆけば。橫截
Z14_0046A06: 五惡趣。惡趣自然閉と何の恐もなく。其の身を顧れ
Z14_0046A07: ば。紫磨黃金の膚となるなり。卽心念佛者は。袖をし
Z14_0046A08: ぼらるべし。これぞよき笑ものなり。
Z14_0046A09: 談曰。淨土宗の人佛敎の大意を能しり。見識あるより
Z14_0046A10: 務るにあらざれば。尊に足らず等。 辨曰。さて〱
Z14_0046A11: 慮外千般。慢過慢といゝつべし。上代和漢の碩德高僧
Z14_0046A12: は云にをよばす。法然上人已來の緇素を。一槪に無
Z14_0046A13: 見識頑魯とは。以何言之耶。縱一隻眼を具するもの
Z14_0046A14: も。尼入道に同ふして。智者の振舞をせざるが。淨土
Z14_0046A15: の宗意なれば。隱光韜德。上人も不尠。光明は覺王
Z14_0046A16: の化身。法然は勢至の權跡なり。其の流を汲んで。超
Z14_0046A17: 世の願意を悟りて。㨗徑の淨土を願ふは。見識あるか
Z14_0046B01: 故なり。怯弱區々の器材を以て。志幹歷々の觀解を修
Z14_0046B02: し。無明を絕去し。塵勞を追却して。直ちに實際の扃
Z14_0046B03: に至らんこと。階たてゝも難及。故に鐘打たゝき念
Z14_0046B04: 佛して。悟道を一念にとりて。早作佛を求む。これ大
Z14_0046B05: 見識なり。和漢の碩德。本宗を捨てゝ。念佛門に入る。
Z14_0046B06: 今日の緇素。衆車同轍なり。凡そ淨家に定往生三等
Z14_0046B07: あり。一無生而生の往生。在世滅後薩埵。或は天衣天
Z14_0046B08: 如天台等の類は。早作佛のゆへに願往生。二證得往
Z14_0046B09: 生。如韋提侍女等。三見生無生の往生。今日如凡夫
Z14_0046B10: 是也。第一無生而生類。三界業繫畢竟して斷盡し。無
Z14_0046B11: 生忍の位に至り。隨其心淨。卽佛土淨。光明大師曰。
Z14_0046B12: 門門見佛。得生淨土。斯れ乃十方法界にして。彌陀卽
Z14_0046B13: 諸佛。諸佛卽ち彌陀。一多包容。大小融通す。於中願
Z14_0046B14: 極樂。超勝特妙にして。六八莊嚴の故に。別して願生
Z14_0046B15: するなり。不退の土住正定故に。二證得往生とは。
Z14_0046B16: 韋提。垢凡の女質。未質礙身。佛力に加被せら
Z14_0046B17: れて。悟無生忍。觀經の卽便往生なり。是れ韋提一人

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