浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0043A01: | 宗十義書の祖判に背くこと顯はれ。旁觀記は。匡解に |
Z14_0043A02: | たゞされ。土砂一物の辨。答駁は。並に止訛にせめら |
Z14_0043A03: | れ。今も藥王品の文を引れしが。是れは法華經のこと |
Z14_0043A04: | にてこそあれ。卽心念佛申す人が。諸宗の親との證 |
Z14_0043A05: | には非す。若し繼父か。但し養子親か。とくときゝた |
Z14_0043A06: | し。 |
Z14_0043A07: | 卽心念佛申し樣のことは。都て今家の所立と違しこ |
Z14_0043A08: | となれは。不レ及レ辨。申と云へば約心觀佛ではなし若は石女生レ兒乎 |
Z14_0043A09: | 談曰。事の念佛の人は。此界にては。生の見をゑ離れ |
Z14_0043A10: | す乃至見解は小乘なり等。辨曰。是れ何と云ことそ |
Z14_0043A11: | や。本より淨土宗意は。本爲凡夫。兼爲聖人なれは。此 |
Z14_0043A12: | 界にて生の見を離れ。無生の解會に契ひなば。何夫强 |
Z14_0043A13: | 願生せん。凡そ生無生とは。妙明眞如の性。本自ら無 |
Z14_0043A14: | 生なり。因緣和合すれは。卽ち生の相あり。性を全し |
Z14_0043A15: | て相を現ずれば。無生卽ち生なり。相旣に性なれは。 |
Z14_0043A16: | 生卽ち無生なり。唯迷の凡夫。此の理にくらし。故に |
Z14_0043A17: | 遠刧より已來。還源の要術なし。聖道の一門は。今世 |
Z14_0043B01: | に難レ證。故に法王建レ誓無方域の上に方域をかまへ。 |
Z14_0043B02: | 無生の上に生を示す。其生と者。往生論注曰。彼淨土。 |
Z14_0043B03: | 是阿彌陀如來。淸淨本願。無生之生非レ如二三有虛妄生一。 |
Z14_0043B04: | 何以言レ之夫法性淸淨畢竟無生。言レ生者。得生者之情 |
Z14_0043B05: | 耳。乃至體二夫生理一。謂二之淨土一。下喩を出して曰。聞二阿 |
Z14_0043B06: | 彌陀如來。至極無生淸淨。寳珠名號一。投二之濁心一。念々 |
Z14_0043B07: | 之中。罪滅心淨得二往生一。又如二氷上燃レ火。火猛則氷解。 |
Z14_0043B08: | 氷解則火滅一。斯乃氷喩二無明一。火喩二見生一。無明の氷解れ |
Z14_0043B09: | は。見生火自然に滅して。法性無生の智水のみなる |
Z14_0043B10: | が。是れ淨土宗の往生なり。然れば臨終の夕までも。 |
Z14_0043B11: | 隨分往生の見强きか。佛智所構の善巧なり。自己の才 |
Z14_0043B12: | 智に於ては。一分も所レ用なく。單身專修なる則。其の |
Z14_0043B13: | 博覽廣才の智人の無信なるには。甚た勝絕して。速疾 |
Z14_0043B14: | に往生して契二無生一。這密意は。凡夫よりして彌勒に |
Z14_0043B15: | 至るまで。測知すること能はず。善導釋曰。佛密意弘 |
Z14_0043B16: | 深。敎門難曉。三賢十聖。弗測所窺と。然に時旣に澆季 |
Z14_0043B17: | なり。人も亦下賤なり。三學の修行。殆んと證し難し。 |