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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0041A01: 尼入道聚首念佛するも忽蒙其益。こゝを以て是を見
Z14_0041A02: るに。皆眞實作意なり。袁中郞かことを。書れしまゝ。
Z14_0041A03: 珂雪參集選の。一驗をそなへむ。彼第十六。袁氏三生
Z14_0041A04: 傳の略に曰。伯修有子曰登。年十三なり。小時より。
Z14_0041A05: 淨業を修することを聞ときは喜び。十氣を以て念佛
Z14_0041A06: す。萬曆辛卯。伯修京師に官し。中郞以公車至。兒か
Z14_0041A07: 病癖不治。まさに死せんとして。人に語て曰。二りの
Z14_0041A08: 叔を。請しきたれと。中郞至る。兒が曰。我れまさに往
Z14_0041A09: かんとす。叔我をたすけて。念佛すべしと。兒危坐し
Z14_0041A10: て。數百聲を念す。中郞及び伯修。みなこれを助く。兒
Z14_0041A11: 又曰。我が氣急にして。全く念ずることあたはず。も
Z14_0041A12: つはら南無佛と念ぜんも可ならんや。叔曰よしと。兒
Z14_0041A13: 復た念ずること。百聲ばかりして。大に笑て曰く。蓮
Z14_0041A14: 華至れりと。家人こと〲く走り視る。登愀然といろ
Z14_0041A15: がわりして曰。蓮華皆なくなりぬ。室中汚穢者はなき
Z14_0041A16: かと。詢之果して不淨を浣ふの下女あり。依て是を
Z14_0041A17: しりぞけ出せば。又笑て曰。蓮華復あまねし。一々の
Z14_0041B01: 華の上に。如來まします。如來きたり玉ふ。我もゆか
Z14_0041B02: んと。遂に合掌して。脩然として逝く。次に中郞か娘。
Z14_0041B03: 禪那年十四歲。未死せざる四五日前に。淨土を感見
Z14_0041B04: し。其後專ら上品を念じて往生す。次に袁中道か子。
Z14_0041B05: 名は海四歲。念佛百餘聲して往生す。具には往て可
Z14_0041B06: 見。如此唯心法界の妙解もなく。卽心念佛にてもな
Z14_0041B07: し。只口-稱果號往生す。老漢何ぞ大分水を加るの。外
Z14_0041B08: 道よりましの。ぐつつくのと云ふや。旣如此現證に
Z14_0041B09: 背く。無慚の贋僧なり。をよびもせぬ開解だての。卽
Z14_0041B10: 心念佛の者。かゝることを見聞せば。うらやましかる
Z14_0041B11: べし。はやく過を改て。任口念佛すべし。
Z14_0041B12: 談曰。理の念佛の人よりは。事の念佛申すも。卽心念
Z14_0041B13: 佛を離れずと見れども。事の念佛申しの方よりは。左
Z14_0041B14: 樣にはゑいはぬなり。辨曰。理持念佛者離れずと見ば
Z14_0041B15: 事持念佛者も。同じかるべし。事有理之功。理無
Z14_0041B16: 隻立之能。已不兩輪雙翼耶。總じて不照應
Z14_0041B17: とをゝし。愚癡無智も。なるまじきことにてなしと

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