浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0040A01: | 乘の稱名を。九十六種の外道に讐對すること。佛祖に |
Z14_0040A02: | そむくの大外道。謗三寶の破戒。入阿鼻の罪人に非ず |
Z14_0040A03: | や。傳聞。慈忍阿闍梨は。後飯室に閉ち籠りて。念佛三 |
Z14_0040A04: | 昩の外。他事なかりしが。人に示して曰。昔し今の人。 |
Z14_0040A05: | 觀法。或は行業を積て。慢心をなし。卽心成佛の妙法 |
Z14_0040A06: | を行て。天魔破旬の賤きわざとなること。甚たをゝ |
Z14_0040A07: | し。可レ恐所なり。必す智行兼備の人にあることなり |
Z14_0040A08: | と。のたまへりとなん。可レ愼。正に今返問すべし。老 |
Z14_0040A09: | 漢を始め今時の台宗誰か法華三昩を行て。寂寞無人 |
Z14_0040A10: | 聲の床の上には。妙法華の薰芬郁とし。端坐思實相の |
Z14_0040A11: | 樞の前には。遍法界の雲靉靆し。人跡稀なる山の奧 |
Z14_0040A12: | に。妄想の夢さめて。煩惱の塵を拂ふ行人ありや否。 |
Z14_0040A13: | 漸く法華經を讀誦するを。本味と思ふべけれども。是 |
Z14_0040A14: | も天竺震旦は。總じて行誦にして。義を通するか故 |
Z14_0040A15: | に。讀經のうちに。餘緣もなく。それ〲の經意を。心 |
Z14_0040A16: | 徹すれは。縱ひ兒女の輩の讀經も。讀誦法師といわれ |
Z14_0040A17: | て。結構なることなれども。日本は片假名の。かへり |
Z14_0040B01: | 點つけねは。終日通霄萬部を讀ても。何のことやらも |
Z14_0040B02: | しらず。行者の胸中は。妄念のみにて全く讀誦に功な |
Z14_0040B03: | し。例せば。湖人薛氏か婦。喪して不レ得レ脫。其家齋二千 |
Z14_0040B04: | 僧一。誦二金剛經一。婦憑レ語曰。謝二翁婆一卷經一。今得二解脫一。 |
Z14_0040B05: | 翁問。千僧同誦。何言二一卷一。答曰。朋法師所レ誦者。蓋師 |
Z14_0040B06: | 誦時。不レ接二世語一。兼解レ義爲レ勝なり。統紀十五斯以て今を見 |
Z14_0040B07: | るに。皆鵲噪蛙鳴にして。詮もなきこと。心と口と各 |
Z14_0040B08: | 異なり。自分義解の利をもえず。亦側らに聞經の益も |
Z14_0040B09: | なし。超八純圓も。丸のみにして。卽是の妙觀も。口で |
Z14_0040B10: | 云ふたばかり。乳のことは閣き。水まで乾きし寔に枯 |
Z14_0040B11: | 槁の衆生とは。汝等がことなり。併ら老漢は。學問の |
Z14_0040B12: | 力にて。事持よりは。理持勝れ。妙解を開て。申さば。 |
Z14_0040B13: | しかるべしとをもわるれども。夫もみな勝解作意の |
Z14_0040B14: | 分際なり。事持の口稱の者は。一文不通の頑魯も臨終 |
Z14_0040B15: | に好相祥瑞を得て。終りを取り。或は夢中に。淨土の |
Z14_0040B16: | 品位快樂を。託吿する等のこと。和漢の史記。往生傳 |
Z14_0040B17: | のごとし。現生護念の益にたよりて。祈禱の爲めに。 |