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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

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巻_頁段行 本文
Z14_0040A01: 乘の稱名を。九十六種の外道に讐對すること。佛祖に
Z14_0040A02: そむくの大外道。謗三寶の破戒。入阿鼻の罪人に非ず
Z14_0040A03: や。傳聞。慈忍阿闍梨は。後飯室に閉ち籠りて。念佛三
Z14_0040A04: 昩の外。他事なかりしが。人に示して曰。昔し今の人。
Z14_0040A05: 觀法。或は行業を積て。慢心をなし。卽心成佛の妙法
Z14_0040A06: を行て。天魔破旬の賤きわざとなること。甚たをゝ
Z14_0040A07: し。可恐所なり。必す智行兼備の人にあることなり
Z14_0040A08: と。のたまへりとなん。可愼。正に今返問すべし。老
Z14_0040A09: 漢を始め今時の台宗誰か法華三昩を行て。寂寞無人
Z14_0040A10: 聲の床の上には。妙法華の薰芬郁とし。端坐思實相の
Z14_0040A11: 樞の前には。遍法界の雲靉靆し。人跡稀なる山の奧
Z14_0040A12: に。妄想の夢さめて。煩惱の塵を拂ふ行人ありや否。
Z14_0040A13: 漸く法華經を讀誦するを。本味と思ふべけれども。是
Z14_0040A14: も天竺震旦は。總じて行誦にして。義を通するか故
Z14_0040A15: に。讀經のうちに。餘緣もなく。それ〲の經意を。心
Z14_0040A16: 徹すれは。縱ひ兒女の輩の讀經も。讀誦法師といわれ
Z14_0040A17: て。結構なることなれども。日本は片假名の。かへり
Z14_0040B01: 點つけねは。終日通霄萬部を讀ても。何のことやらも
Z14_0040B02: しらず。行者の胸中は。妄念のみにて全く讀誦に功な
Z14_0040B03: し。例せば。湖人薛氏か婦。喪して不脫。其家齋
Z14_0040B04: 。誦金剛經。婦憑語曰。謝翁婆一卷經。今得解脫
Z14_0040B05: 翁問。千僧同誦。何言一卷。答曰。朋法師所誦者。蓋師
Z14_0040B06: 誦時。不世語。兼解義爲勝なり。統紀十五斯以て今を見
Z14_0040B07: るに。皆鵲噪蛙鳴にして。詮もなきこと。心と口と各
Z14_0040B08: 異なり。自分義解の利をもえず。亦側らに聞經の益も
Z14_0040B09: なし。超八純圓も。丸のみにして。卽是の妙觀も。口で
Z14_0040B10: 云ふたばかり。乳のことは閣き。水まで乾きし寔に枯
Z14_0040B11: 槁の衆生とは。汝等がことなり。併ら老漢は。學問の
Z14_0040B12: 力にて。事持よりは。理持勝れ。妙解を開て。申さば。
Z14_0040B13: しかるべしとをもわるれども。夫もみな勝解作意の
Z14_0040B14: 分際なり。事持の口稱の者は。一文不通の頑魯も臨終
Z14_0040B15: に好相祥瑞を得て。終りを取り。或は夢中に。淨土の
Z14_0040B16: 品位快樂を。託吿する等のこと。和漢の史記。往生傳
Z14_0040B17: のごとし。現生護念の益にたよりて。祈禱の爲めに。

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