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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0325A01: ()()に同じ。災禍の雲おのづから(きへ)。福德の月光り
Z12_0325A02: をますべし。宜なるかな國王百官受位の時。この受法
Z12_0325A03: あること。庶人この戒を受行するだも。なを見聞の人
Z12_0325A04: を感動し。止惡修善の蘭薰にそましむ。況や尊貴の人。
Z12_0325A05: 一人この戒善を行ずれば。(じう)()()(ぞく)(しも)庶民にいたる
Z12_0325A06: までも。おのづからその德風になびき。その仁澤に(うるを)
Z12_0325A07: ふべし。豈大利にあらずや。
Z12_0325A08: この經に云く。孝-養父母師僧三寶。孝順至道之法。孝
Z12_0325A09: 名爲戒。それ慈仁の心は。此戒の正體なり。この心上
Z12_0325A10: にむかへば孝順と名け。下にむかへば慈悲といふ。こ
Z12_0325A11: の心成就すれば。一切戒善これより生長す。このゆへ
Z12_0325A12: にこの戒(うけ)たる人。もし在家の人ならば。まづ父母に
Z12_0325A13: 孝順すること。未受戒の前に(ばい)()し。()(よう)ご〻ろを盡
Z12_0325A14: すべし。その心を以て君に(つか)ふれば忠と名け。その心
Z12_0325A15: を兄弟夫婦朋友眷屬等に用ゆれば。その名はかはる
Z12_0325A16: といへども。その體はた※一の孝順心なり。出家人の
Z12_0325A17: 師長に孝順し。衆に處して。敬上慈下の行を修するも。
Z12_0325B01: 準例してしるべし。
Z12_0325B02: 菩薩戒は。大菩薩從空出假の妙行。一衆生の爲に。(ひ※)
Z12_0325B03: に河沙の身命をも捨る極善廣大心に(かう)學すべきゆへ
Z12_0325B04: に。凡位の受戒といへども。隨分(をのれ)を捨て他を利する
Z12_0325B05: 心行を(くわい)(はい)し。一切時處に於て。謙卑以て牧し。我慢()
Z12_0325B06: (かう)の心を(しやく)(ぶく)すべし。
Z12_0325B07: この戒受る人に二類あり。一類は。此戒受得已後。生々
Z12_0325B08: この法を失せず。三大僧祇劫を歷て。菩薩の道漸々轉
Z12_0325B09: 進して。遂に佛果にいたる。一類は。この娑婆界は魔
Z12_0325B10: 緣多く。生を(ふる)うちに。退墮せんことをおそれて。生
Z12_0325B11: を他方の淨刹に託し。かの土に於て。三賢十地の願行
Z12_0325B12: を。滿足せんとねがひて。淨土の行を修するなり。こ
Z12_0325B13: の願生淨土の行に多類あり。別に(しる)すがごとし。
Z12_0325B14: 一切衆生。心性淸淨寂照如々。た※無始時來無明妄動
Z12_0325B15: によりて。法を執し我を執し。見愛きそひ起り。妄業
Z12_0325B16: 以て妄果を感じ。生死輪廻(たまき)の轉ずるがごとし。これ
Z12_0325B17: を流轉と名く。眞如うちに熏じ。勝緣外に資くれば。緣

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