浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0325A01: | の治化に同じ。災禍の雲おのづから消。福德の月光り |
Z12_0325A02: | をますべし。宜なるかな國王百官受位の時。この受法 |
Z12_0325A03: | あること。庶人この戒を受行するだも。なを見聞の人 |
Z12_0325A04: | を感動し。止惡修善の蘭薰にそましむ。況や尊貴の人。 |
Z12_0325A05: | 一人この戒善を行ずれば。從侍部屬。下庶民にいたる |
Z12_0325A06: | までも。おのづからその德風になびき。その仁澤に霑 |
Z12_0325A07: | ふべし。豈大利にあらずや。 |
Z12_0325A08: | この經に云く。孝二-養父母師僧三寶一。孝順至道之法。孝 |
Z12_0325A09: | 名爲レ戒。それ慈仁の心は。此戒の正體なり。この心上 |
Z12_0325A10: | にむかへば孝順と名け。下にむかへば慈悲といふ。こ |
Z12_0325A11: | の心成就すれば。一切戒善これより生長す。このゆへ |
Z12_0325A12: | にこの戒受たる人。もし在家の人ならば。まづ父母に |
Z12_0325A13: | 孝順すること。未受戒の前に倍蓰し。奉養ご〻ろを盡 |
Z12_0325A14: | すべし。その心を以て君に事ふれば忠と名け。その心 |
Z12_0325A15: | を兄弟夫婦朋友眷屬等に用ゆれば。その名はかはる |
Z12_0325A16: | といへども。その體はた※一の孝順心なり。出家人の |
Z12_0325A17: | 師長に孝順し。衆に處して。敬上慈下の行を修するも。 |
Z12_0325B01: | 準例してしるべし。 |
Z12_0325B02: | 菩薩戒は。大菩薩從空出假の妙行。一衆生の爲に。日 |
Z12_0325B03: | に河沙の身命をも捨る極善廣大心に傚學すべきゆへ |
Z12_0325B04: | に。凡位の受戒といへども。隨分己を捨て他を利する |
Z12_0325B05: | 心行を懷佩し。一切時處に於て。謙卑以て牧し。我慢貢 |
Z12_0325B06: | 高の心を折伏すべし。 |
Z12_0325B07: | この戒受る人に二類あり。一類は。此戒受得已後。生々 |
Z12_0325B08: | この法を失せず。三大僧祇劫を歷て。菩薩の道漸々轉 |
Z12_0325B09: | 進して。遂に佛果にいたる。一類は。この娑婆界は魔 |
Z12_0325B10: | 緣多く。生を歷うちに。退墮せんことをおそれて。生 |
Z12_0325B11: | を他方の淨刹に託し。かの土に於て。三賢十地の願行 |
Z12_0325B12: | を。滿足せんとねがひて。淨土の行を修するなり。こ |
Z12_0325B13: | の願生淨土の行に多類あり。別に記すがごとし。 |
Z12_0325B14: | 一切衆生。心性淸淨寂照如々。た※無始時來無明妄動 |
Z12_0325B15: | によりて。法を執し我を執し。見愛きそひ起り。妄業 |
Z12_0325B16: | 以て妄果を感じ。生死輪廻環の轉ずるがごとし。これ |
Z12_0325B17: | を流轉と名く。眞如うちに熏じ。勝緣外に資くれば。緣 |