ウィンドウを閉じる

Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0323A01: (ぢう)𠍴(けん)にか〻るべし。菩薩戒受たる人は。他の此罪に
Z12_0323A02: か〻るを見聞せば。力を(つく)して方便(かい)()し。改()せし
Z12_0323A03: むべし。もしよく一人此罪に(いる)を敎化して。正見に歸
Z12_0323A04: せしめば。その功德億兆の人の命を救ふにまさるべ
Z12_0323A05: し。台疏に四種の邪見を出せり。謂く上邪見。中邪見。
Z12_0323A06: 下邪見。雜邪見なり。上邪見は。卽ち上に述る謗三寶
Z12_0323A07: の正罪これなり。中邪見は。佛法僧なしとはいはず。た
Z12_0323A08: ※佛敎は餘道に及ばずとおもひ。また口に(とく)等なり。
Z12_0323A09: 下邪見は。三敎一致など計し。或は大乘は小乘に及ば
Z12_0323A10: ずと執する等なり。雜邪見といふは。これまた四種あ
Z12_0323A11: り。一に偏執。二に雜信。三に暫念小乘。四に思義(びやく)(みやう)
Z12_0323A12: り。初に偏執とは。或は偏に大乘を執して。小乘を毁
Z12_0323A13: 廢し。或は偏に一經一宗を信じ。餘經餘宗を()(しやく)する
Z12_0323A14: なり。世に此邪見に墮するもの多し。怖るべし。雜信
Z12_0323A15: 邪見といふは。佛敎を(うけ)信じながら。また外道鬼神な
Z12_0323A16: どの怪しき法をまじへ修する等なり。暫念小乘とい
Z12_0323A17: ふは。まづ小乘の𣵀槃を得て後。大乘道に入んとおも
Z12_0323B01: ()()の心なり。この經は直往大乘を詮ずるゆへ。(せつ)
Z12_0323B02: に迂廻の心を(きら)ふなり。これ瑜伽善戒等の所說と。そ
Z12_0323B03: の旨や〻異なり。此異同は此に辯じがたし。思義僻謬
Z12_0323B04: といふは。凡夫の妄識にて。甚深廣大の佛敎を臆解し。
Z12_0323B05: 名相()(ろん)の域に()(ちく)し。深々の法義をして淺々たら
Z12_0323B06: しむるなり。地論にいはゆる文の如く義をとりて。五
Z12_0323B07: 過を生ずるがごとし。(ぎやう)()の世。この(びやく)見頗る多し。こ
Z12_0323B08: の僻謬あるもの佛敎を談ずるは。その言は佛敎を讚
Z12_0323B09: ずるに似て。その實は佛敎を謗るに當ることあり。思
Z12_0323B10: ふべし。これ等の諸邪見。ならびに此戒所制。謗三寶
Z12_0323B11: の類罪なり。しるべし。
Z12_0323B12: 上來略して十戒の相を辯じ(おは)る。四十八輕戒。此に解
Z12_0323B13: するに(いとま)あらず。四十八輕戒受得の人は。諸疏を()(ゑつ)
Z12_0323B14: して。その相をしるべし。隨分受學と要期受得する人
Z12_0323B15: は。その行要をゑらびて護持すべし。飮酒戒。食肉戒。
Z12_0323B16: 食五辛戒。不看病戒。放火損生戒。兩舌戒。不行放救戒。
Z12_0323B17: 獨受利養戒。邪業覺觀戒等。四十八輕の中。凡夫受持の

ウィンドウを閉じる