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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0322A01: 順理の心とても。はげしき瞋りを起すべからず。一切
Z12_0322A02: 唯心の觀は。究竟の(たい)()なり。かりそめに瞋の境界現
Z12_0322A03: 前するも。無始時來定れる自識所變の妄境界にて。わ
Z12_0322A04: れと前人と同じく一識の(てん)(べん)。夢の所見に異ならず
Z12_0322A05: と了得すれば。瞋纒頓にやみて。霜露の(れつ)(じつ)(きゆ)る如
Z12_0322A06: くなるべし。
Z12_0322A07: 第十謗三寶戒。これ佛法僧をなみし謗するを制す。三
Z12_0322A08: 寶は佛法僧なり。三寶に同體別體住持の三あり。今か
Z12_0322A09: つ別體三寶を明さん。佛といふは。佛の證し給ふ無漏
Z12_0322A10: の五分法身なり。法といふは。眞如法性無量功德藏な
Z12_0322A11: り。僧といふは。聲聞の初果已上。菩薩の初地已上。有
Z12_0322A12: 爲無漏聖僧の德これなり。此三寶は眞如の體德用に
Z12_0322A13: して。一切(がん)(じき)所歸依なるに。卻て此境に對して毁謗
Z12_0322A14: を致すは。極重罪にて此戒を犯ず。謗佛といふは。世
Z12_0322A15: 人釋迦佛は印度の王子と聞て。生身なしとはおもは
Z12_0322A16: ねども。佛の證し給ふ無漏の五分法身あるをしらず。
Z12_0322A17: これ人間の賢者(かつ)()ある人と思ひ。(あん)(さく)妄評する等。
Z12_0322B01: これみな謗佛なり。また他方淨土の佛不可思議の事
Z12_0322B02: を聞て。(ぐう)(げん)(きよ)(だん)とする等。これまた謗佛なり。謗法
Z12_0322B03: といふは。理に就ていは※。因果を撥無し。四諦二諦
Z12_0322B04: 三諦一實諦。唯識唯心三性三無性二無我。甚深不測の
Z12_0322B05: 法を聞て。闇推邪解盲意()(せつ)し。或は誹謗()()する等
Z12_0322B06: これなり。敎に就ていは※。華嚴般若法華𣵀槃淨土の
Z12_0322B07: 諸經等を聞て。或は一向に毁謗し。或は(じや)(びやく)に解をと
Z12_0322B08: りて。夜光を魚目に混同するの類。皆謗法罪なり。謗僧
Z12_0322B09: といふは。初果已上初地已上無漏の聖僧と聞て。是を
Z12_0322B10: なみし謗るなり。是別體眞の三寶を謗する。これ卽ち
Z12_0322B11: 此戒の正所制なり。住持三寶といふは。(でい)(もく)彫(てう)()の靈
Z12_0322B12: 儀を佛とし。(らう)(かん)(じく)の經卷を法とし。淨心出家の凡
Z12_0322B13: 僧を僧とす。此三は眞の三寶にあらざれども。これよ
Z12_0322B14: く眞の三寶を住持するゆへ。住持三寶と名く。これま
Z12_0322B15: た嫌ひそしれば。類罪を結す。此謗三寶罪。制業なら
Z12_0322B16: び重し。業罪重きこと。餘に比類すべきなし。その正
Z12_0322B17: 罪なるは。多劫阿鼻獄に墮し重苦を(うく)。類罪なるもま

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