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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0321A01: 破正顯邪にて。人を(まど)はすの魔說也。勿論其讚毁は。此
Z12_0321A02: 戒の犯科に入べし。讚毁の是非。容易に辯ずべからず。
Z12_0321A03: 第八(けん)(じやく)()()戒。これ(けん)(りん)心强く。財を(おし)み法をお
Z12_0321A04: しみ。たま〱人の物を(こふ)あれば。大に(にく)み嫌ひ。()
Z12_0321A05: ()(てう)(ちやく)などすれば。此戒を犯ず。た※(けん)心にて物を
Z12_0321A06: 施さ※るばかりは犯とせず。然れども此戒受るもの
Z12_0321A07: は。外凡は()(ぶん)相應に。慳心を制し隨分施を行じ。(かつ)
Z12_0321A08: おもうべし。菩薩三賢已上は。財寶衣食等を施捨する
Z12_0321A09: のみならず。國城妻子()(もく)(ずい)(のう)までも。おしまず施す
Z12_0321A10: と聞へしに。われなを外凡の心。(けん)(のう)いまだ破せず。
Z12_0321A11: 施波羅蜜を行ずることあたはず。いつか慳纏を破し
Z12_0321A12: て。施度の大行を成ぜんと。深く慚愧の心を生じ。力
Z12_0321A13: の及ぶほど施を行ずべし。然るに少施をも行ぜず。剩
Z12_0321A14: さへ(こふ)ものを(けん)()するは。大に菩薩道に背く。ゆへに
Z12_0321A15: 此戒を犯ず。法を(おし)むといふは。古しへ書(じやく)講說など
Z12_0321A16: まれなる時。知法の人の(もと)に。眞實求法のもの來り(こへ)
Z12_0321A17: ども。或は有所得の心。或は()(まん)心等にて。一句一偈
Z12_0321B01: (とき)あたへず。卻て(けん)()()(にく)すれば。便ち此戒を犯ず。
Z12_0321B02: 然るに財法二施に如法非法あり。これまた辯ずべし。
Z12_0321B03: 第九瞋心不受悔戒。これ極瞋纒にて。他をそこなひ或
Z12_0321B04: は殺さんとおもひ。前人眞實にわび(くゆ)れども。なをそ
Z12_0321B05: (いか)りを(すて)ざれば。此戒を犯ず。瞋恚に順理の瞋。違理
Z12_0321B06: の瞋あり。違理の瞋といふは。前人の是非をえらばず。
Z12_0321B07: た※われに背くものを(いか)るなり。順理の瞋といふは。
Z12_0321B08: 前人の非道惡行あるを瞋るなり。在家なれば妻子眷
Z12_0321B09: 屬。出家なれば弟子の(かもが)ら。非道惡行あるをいかるは。
Z12_0321B10: おほむね慈悲を帶て瞋るゆへ。前人その非道をやめ
Z12_0321B11: 改謝すれば。その(いか)り自らとく。順理しるべし。順理
Z12_0321B12: の瞋は。此戒の犯科に(いら)ず。違理の瞋にてしかも極忿
Z12_0321B13: 纒をいだき。前人如法()(しや)すれどもうけず。()(てう)等の
Z12_0321B14: 毒心を捨ざれば。此戒を犯ず。違理の瞋は。大に菩薩道
Z12_0321B15: に違逆するゆへに。經に一念瞋心おこれば。百萬障門
Z12_0321B16: 開くと說き給へり。瞋恚はその相(けう)()にして。今後世
Z12_0321B17: 不吉の心品なり。違理の瞋は。務めてこれを離るべし。

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