浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z12_0321A01: | 破正顯邪にて。人を惑はすの魔說也。勿論其讚毁は。此 |
Z12_0321A02: | 戒の犯科に入べし。讚毁の是非。容易に辯ずべからず。 |
Z12_0321A03: | 第八慳惜加毁戒。これ慳吝心强く。財を惜み法をお |
Z12_0321A04: | しみ。たま〱人の物を乞あれば。大に惡み嫌ひ。罵 |
Z12_0321A05: | 詈打擲などすれば。此戒を犯ず。た※慳心にて物を |
Z12_0321A06: | 施さ※るばかりは犯とせず。然れども此戒受るもの |
Z12_0321A07: | は。外凡は己分相應に。慳心を制し隨分施を行じ。且 |
Z12_0321A08: | おもうべし。菩薩三賢已上は。財寶衣食等を施捨する |
Z12_0321A09: | のみならず。國城妻子頭目髓腦までも。おしまず施す |
Z12_0321A10: | と聞へしに。われなを外凡の心。慳囊いまだ破せず。 |
Z12_0321A11: | 施波羅蜜を行ずることあたはず。いつか慳纏を破し |
Z12_0321A12: | て。施度の大行を成ぜんと。深く慚愧の心を生じ。力 |
Z12_0321A13: | の及ぶほど施を行ずべし。然るに少施をも行ぜず。剩 |
Z12_0321A14: | さへ乞ものを嫌罵するは。大に菩薩道に背く。ゆへに |
Z12_0321A15: | 此戒を犯ず。法を慳むといふは。古しへ書籍講說など |
Z12_0321A16: | まれなる時。知法の人の所に。眞實求法のもの來り乞 |
Z12_0321A17: | ども。或は有所得の心。或は惰慢心等にて。一句一偈 |
Z12_0321B01: | も說あたへず。卻て嫌罵毁辱すれば。便ち此戒を犯ず。 |
Z12_0321B02: | 然るに財法二施に如法非法あり。これまた辯ずべし。 |
Z12_0321B03: | 第九瞋心不受悔戒。これ極瞋纒にて。他をそこなひ或 |
Z12_0321B04: | は殺さんとおもひ。前人眞實にわび悔れども。なをそ |
Z12_0321B05: | の瞋りを捨ざれば。此戒を犯ず。瞋恚に順理の瞋。違理 |
Z12_0321B06: | の瞋あり。違理の瞋といふは。前人の是非をえらばず。 |
Z12_0321B07: | た※われに背くものを瞋るなり。順理の瞋といふは。 |
Z12_0321B08: | 前人の非道惡行あるを瞋るなり。在家なれば妻子眷 |
Z12_0321B09: | 屬。出家なれば弟子の輩ら。非道惡行あるをいかるは。 |
Z12_0321B10: | おほむね慈悲を帶て瞋るゆへ。前人その非道をやめ |
Z12_0321B11: | 改謝すれば。その瞋り自らとく。順理しるべし。順理 |
Z12_0321B12: | の瞋は。此戒の犯科に入ず。違理の瞋にてしかも極忿 |
Z12_0321B13: | 纒をいだき。前人如法悔謝すれどもうけず。罵打等の |
Z12_0321B14: | 毒心を捨ざれば。此戒を犯ず。違理の瞋は。大に菩薩道 |
Z12_0321B15: | に違逆するゆへに。經に一念瞋心おこれば。百萬障門 |
Z12_0321B16: | 開くと說き給へり。瞋恚はその相兇暴にして。今後世 |
Z12_0321B17: | 不吉の心品なり。違理の瞋は。務めてこれを離るべし。 |