浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0320A01: | 一旦玄境に臨みて。心扉ひらけやすきものあり。三乘 |
Z12_0320A02: | 道分善は。世情にてしりがたきこと。耳を以て食ふが |
Z12_0320A03: | ごとし。かつはじめ垢心穢行にて。後翻轉すること。 |
Z12_0320A04: | 手をかへすがごときもの。往古來今例し多し。眞表石 |
Z12_0320A05: | 鞏等のごとし。また世に外染內淨のものあり。新羅の |
Z12_0320A06: | 元曉法師等のごとし。ゆへに世情を以て。輒く僧の過 |
Z12_0320A07: | を說は。大にあたらぬことありて。思ひの外の重罪を |
Z12_0320A08: | 結することあり。しるべし。もし在家淨信の檀越。僧の |
Z12_0320A09: | 過失はこれ佛法の瑕瑾たるを悲しみ。護法の心やむ |
Z12_0320A10: | ことを得ず。僧坊に詣し。知音の人に。見聞する僧の |
Z12_0320A11: | 過非を吿知せ。治罸せしむるは。これ善行なり。佛在 |
Z12_0320A12: | 世。毘舍佉母護法の緣のごとし。又僧院大衆の中に。犯 |
Z12_0320A13: | 戒等の過あるもの。見聞疑三根明白なれば。慈悲心護 |
Z12_0320A14: | 法心にて。その過惡を。衆首或は知事に吿て。如法に治 |
Z12_0320A15: | 罸せしむるも。また如法作なり。もし惡心邪念にて擧 |
Z12_0320A16: | 罪するは。たとひその言實に當るとも。此戒を犯ず。況 |
Z12_0320A17: | や虛誑なるをや。所詮は心の善惡邪正にて罪を判ず |
Z12_0320B01: | べし。菩薩戒受るものは。菩薩の道を學び。慈悲柔和 |
Z12_0320B02: | 善順の心に住し。た※他の賢德を見て。齊しからんと |
Z12_0320B03: | 悕ふべし。しかるを姦く人の過を見咎め說は。第一無 |
Z12_0320B04: | 慙愧の行なり。深くこれを愼しむべし。 |
Z12_0320B05: | 第七自讚毁他戒。これ名利のために。己れを讚し他人 |
Z12_0320B06: | を毁謗するを制す。この戒は。大むね出家人のために |
Z12_0320B07: | 制す。說法講談などするもの。自を揚げ他を貶して。 |
Z12_0320B08: | 名利を貪求する。これ此戒の所制なり。己が所說極め |
Z12_0320B09: | て正法。全く經論に符順するを決徹し。他人所說定め |
Z12_0320B10: | て邪弊なるを對破するは。これ破邪顯正の務にして |
Z12_0320B11: | 大善なり。然れども聞思修慧。ふかく眞理をあきらめ。 |
Z12_0320B12: | 見解四楞著地なるものなれば。正〓おもふが實に正 |
Z12_0320B13: | にして。邪とおもふが定めて邪なるゆへ。破邪顯正の |
Z12_0320B14: | 辨。これ眞の破邪顯正なり。もし聞思慧も成ぜざる底 |
Z12_0320B15: | のもの。己が世智邪聰にて。僞似の法義を建立し〓自 |
Z12_0320B16: | ら認て正とし。卻て他の正法を說を邪とおもひ。他を |
Z12_0320B17: | 抗破するは。邪正反倒するゆへ。彼が破邪顯正は。翻て |