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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0320A01: 一旦玄境に臨みて。心扉ひらけやすきものあり。三乘
Z12_0320A02: 道分善は。世情にてしりがたきこと。耳を以て食ふが
Z12_0320A03: ごとし。かつはじめ垢心穢行にて。後(ほん)(てん)すること。
Z12_0320A04: 手をかへすがごときもの。往古來今例し多し。(しん)(ひやう)(せき)
Z12_0320A05: (ぎやう)等のごとし。また世に外染內淨のものあり。新羅の
Z12_0320A06: (ぐは)(ぎやう)法師等のごとし。ゆへに世情を以て。(たやす)く僧の過
Z12_0320A07: を說は。大にあたらぬことありて。思ひの外の重罪を
Z12_0320A08: 結することあり。しるべし。もし在家淨信の(だん)(おつ)。僧の
Z12_0320A09: 過失はこれ佛法の()(きん)たるを悲しみ。護法の心やむ
Z12_0320A10: ことを得ず。僧坊に(けい)し。知(いん)の人に。見聞する僧の
Z12_0320A11: 過非を(つげ)(しら)せ。()(ばつ)せしむるは。これ善行なり。佛在
Z12_0320A12: 世。()(しや)(きや)()護法の緣のごとし。又僧院大衆の中に。犯
Z12_0320A13: 戒等の過あるもの。見聞疑三根明白なれば。慈悲心護
Z12_0320A14: 法心にて。その過惡を。(しう)(しゆ)或は知事に吿て。如法に()
Z12_0320A15: (ばつ)せしむるも。また如法作なり。もし惡心邪念にて()
Z12_0320A16: (ざい)するは。たとひその(こと)實に當るとも。此戒を犯ず。況
Z12_0320A17: や虛誑なるをや。所詮は心の善惡邪正にて罪を判ず
Z12_0320B01: べし。菩薩戒受るものは。菩薩の道を學び。慈悲柔和
Z12_0320B02: 善順の心に住し。た※他の賢德を見て。齊しからんと
Z12_0320B03: 悕ふべし。しかるを(かたまし)く人の過を()(とが)(とく)は。第一無
Z12_0320B04: 慙愧の行なり。深くこれを愼しむべし。
Z12_0320B05: 第七自讚毁他戒。これ名利のために。己れを讚し他人
Z12_0320B06: を毁謗するを制す。この戒は。大むね出家人のために
Z12_0320B07: 制す。說法講談などするもの。自を()げ他を(おと)して。
Z12_0320B08: 名利を貪求する。これ此戒の所制なり。己が所說極め
Z12_0320B09: て正法。全く經論に符順するを決徹し。他人所說定め
Z12_0320B10: て邪弊なるを對破するは。これ破邪顯正の(つとめ)にして
Z12_0320B11: 大善なり。然れども聞思修慧。ふかく眞理をあきらめ。
Z12_0320B12: (けん)()()(れう)(ちやく)()なるものなれば。正〓おもふが實に正
Z12_0320B13: にして。邪とおもふが定めて邪なるゆへ。破邪顯正の
Z12_0320B14: 辨。これ眞の破邪顯正なり。もし聞思慧も成ぜざる(て〓)
Z12_0320B15: のもの。(をの)が世智邪聰にて。()()の法義を建立し〓自
Z12_0320B16: (みとめ)て正とし。卻て他の正法を說を邪とおもひ。他を
Z12_0320B17: 抗破するは。邪正(ほん)(とう)するゆへ。彼が破邪顯正は。(かへり)

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